原子力規制委員会は9月25日の定例会で、東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で発生した大量の放射能汚染水の処理を行うため東電が設置した多核種除去設備(ALPS)の漏えい対策が報告され、了承しました。
3系統あるALPSの1系統で3月から実際の汚染水を使って始めた試運転中にタンクからの漏えいが発見され、溶接部の腐食が原因とされました。その後調査によって、3系統すべてから、同様の腐食がタンクなどから確認されました。
東電は、タンクの内面にゴムの内張りを施工することや、腐食を促進したとされる処理に使う薬剤の注入を停止するなどの対策をとることとしています。すでに試運転を実施した2系統は、まだ、対策が終わっておらず、残る1系統で放射性物質を含まない試運転を23日から実施。異常がないことを確認した上で、汚染水を使った試運転を行うとしています。
会合では、田中俊一委員長は「性能的にまだまだ問題がいっぱいあると思う」と述べながら、「とりあえず操業しながら問題を克服するということで私としては認めたい」と発言。また、中村佳代子委員は、「これだけのかなり強力な濃度の水を処理するにしては、少しお粗末な装置」と述べ、東電の試験の進め方について指摘する意見がありました。