福島第1原発事故で溶け落ちた2号機の核燃料(デブリ)の試験的取り出し作業をミスで中断した問題で、東京電力は2日、小早川智明社長が斎藤健経済産業相に原因と再発防止策について同日報告する予定だったのを、昼になって延期を申し出たことを明らかにしました。
会見で東電は同省から確認したい項目を指摘され「精査が必要になった」と説明しました。
試験的取り出し作業は先月22日に開始。「テレスコ式」と呼ばれる伸縮する装置を原子炉格納容器の接続部まで進入させましたが、装置を奥に押し込むための5本のパイプの順番の誤りが見つかり、作業を中断しました。
パイプの順番の間違いは1カ月前の7月下旬の準備段階に起きていたとされています。
この問題について経産省から原因と再発防止策について報告を求められていました。
試験的取り出しは、計画によると、約2週間かけて、装置を格納容器内に投入し、底部にたまったデブリのうち重さ3グラム以下のものを採取する予定です。
(「しんぶん赤旗」2024年9月3日より転載)