衆院経産委で笠井氏
原発や核燃料サイクル関連施設を立地する12道県への資源エネルギー庁職員の出張が2019年4月から昨年末まで4年8カ月に計1135回に上ることがわかりました。衆院経済産業委員会で日本共産党の笠井亮議員が15日、経産省の資料をもとに明らかにしました。
資料によると、出張先での面談・意見交換の相手は「自治体関係者等」や地元経済団体関係者、電力会社などで、出張目的は「意見交換等」などとなっています。出張回数の最多は新潟県の266回。次に福井県の240回、青森県の240回、宮城県の76回、島根県の75回と続きます。
笠井氏は「出張して何をしたのか、誰と会ったのか」などの記録を求めても提出しないと指摘。斎藤健経済産業相は「公にすることによって、今後、率直な意見交換、事務の妨げになることも考えられる」などと述べ、一切明らかにしませんでした。
笠井氏はさらに、核のごみ(高レベル放射性物質)の文献調査の受け入れを表明した玄海町がある佐賀県にもエネ庁職員が計33回出張し、今年に入っても6回もの出張があったと指摘。面談相手に、調査の受け入れを求めて請願した玄海町飲食業組合など3団体や玄海町議が含まれていないかとただすと、松山泰浩エネ庁次長(首席最終処分政策統括調整官)は、「対外的に話すものではない」と答えませんでした。
笠井氏は「周到な根回し、地ならしを行った事実はないのか、問われている」「原発立地地域に何をしに行ったのか、ベールに包まれたまま」だと批判しました。
(「しんぶん赤旗」2024年5月16日より転載)