経済産業省は1日、佐賀県玄海町に対し、原発から出る核のごみ(高レベル放射性廃棄物)の最終処分場選定に向けた文献調査の実施を申し入れました。同省資源エネルギー庁の松山泰浩次長(首席最終処分政策統括調整官)が町役場を訪れると、「最終処分場反対」などのプラカードを持った市民らが抗議行動を繰り広げました。
松山次長は脇山伸太郎町長に申し入れの文書を手渡しました。文書は、放射性廃棄物の最終処分は日本の社会全体で必ず解決しなければいけない問題などとして文献調査の実施を求めています。
抗議行動で、日本共産党の井上祐輔前県議は「国がつくった科学的特性マップでも地層処分に不適格な地域とされているのになぜ国が町にお願いできるのか。核のごみ置き場を将来の子どもたちに押し付けていいのか。町長も町民の声も聞かないまま受け入れることはしないでほしい」と訴えました。隣接する唐津市の黒木初、浦田関夫の両党市議も参加しました。
松山次長と脇山町長との面談は非公開で行われました。会場前には、傍聴しようと訪れた市民ら約30人が集まり「オープンにするべきだ」「民主主義ではない」など、怒りの声を上げました。
(「しんぶん赤旗」2024年5月2日より転載)