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国の責任認めぬ判決・・原発賠償訴訟で神戸地裁

 福島第1原発事故で福島県や宮城県から兵庫県に避難した人たち30世帯75人が「避難の権利」を掲げ、国と東電に損害賠償を求め2013年以降3次にわたって提訴した裁判で21日、神戸地裁は国の責任を認めない判決を言い渡しました。

 判決は、国の地震調査研究推進本部による地震予測「長期評価」(02年)について、「長期評価の知見が必ずしも地震対策に直ちに活用できるほどの精度が高いものと位置付けていなかった」「科学的、専門技術的な見地からの合理性を有する知見であったと認めるのは困難」とし、「長期評価」をもとに規制権限を行使して東電に対策を取らせたとしても、東日本大震災の津波で原発敷地、建屋への大量の海水侵入は避けられなかったとして、国に責任はないとしました。

 避難を必要とする内部被ばくの危険性を訴えた原告側の主張も退けられました。総請求額は約6億9000万円ですが、一部原告に約2400万円の賠償を東電に命じました。

 古殿宣敬原告弁護団長は「国の責任に関して、『長期評価』は信用できないと最高裁判決(22年)よりも後退した。そのあとは最高裁判決のコピペの判決だ」と厳しく批判。原告の女性は「いつまで苦しんだらいいのか」と訴えました。

(「しんぶん赤旗」2024年3月22日より転載)