北陸電力は30日、能登半島地震後に志賀原発(石川県志賀町)で起きた変圧器の油漏れについて、配管の接続部分に亀裂が確認されたと明らかにしました。地震による揺れで損傷したとみられます。同社は同日、現時点までの調査報告書を原子力規制委員会などに提出しました。
1日の地震で、志賀原発は1、2号機ともに外部電源を受けるための変圧器が1台ずつ損傷。1号機は約3600リットル、2号機は約1万9800リットルの絶縁用油が漏れました。
北陸電によると、2台の変圧器を点検した結果、放熱器や冷却器をつなぐ配管に亀裂が見つかりました。同社は、部品の交換や内部点検を行うとしていますが、復旧の見通しは立っていません。
また、16日の余震後の試運転で自動停止した非常用ディーゼル発電機について、13日に電気を流す系統を変更した影響で、電流が流れにくくなったのが原因と推定しました。発電機は29日に復旧。同社は手順書を見直すなどして再発防止を図るとしています。
志賀原発では、能登半島地震により1号機地下で震度5強を観測。変圧器の故障などで、5系統の外部電源のうち2系統が使えなくなっています。
(時事)
(「しんぶん赤旗」2024年2月1日より転載)