日本共産党嶺南地区委員会 > しんぶん赤旗 > 原発事故風化に危機感・・被災の若者と早大生が対話

原発事故風化に危機感・・被災の若者と早大生が対話

福島原発事故被災者へのインタビューの記録を発表する早稲田大学=18日、東京都新宿区

 福島原発事故から学ぶシンポジウム「復興の人間科学2023」が18日、早稲田大学(東京都新宿区)で開かれました。同大学の学生と震災当時小中学生だった被災者の若者が、対話を通して学んだ記録を発表しました。同大学人間総合研究センターと同大学災害復興医療人類学研究所の主催。

 福島県から全国各地に避難している若者5人が、避難生活での苦しみや原発事故が風化していく危機感を語りました。

 小学3年で被災し大阪に避難した女性は、慣れない環境と長引く避難生活、周囲の偏見に苦しみ、母に反発した当時を振り返りました。今なお、避難している人や健康被害への不安を抱えている人がいると強調し、「終わったことだと思われることに、もどかしさを覚える」と語りました。二度と原発事故を繰り返さないために「原発のあり方について慎重な検討をしてほしい」と力を込めました。

 インタビューした学生は、被災者の「まだこの問題は終わっていない」という言葉が印象に残ったと発言。放射能による健康被害や放射性廃棄物、廃炉など将来にわたって長く続く問題だと認識したとし、「全国の人が自分事として、二度と繰り返さないためにどうするべきかを考え続けなければいけない」と語りました。

(「しんぶん赤旗」2023年11月19日より転載)