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東海第2 また施工不良/防潮堤 北基礎が岩盤に未到達か

 停止中の日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の防潮堤工事で施工不良が明らかになった問題で19日、基礎部分の鉄筋カゴの施工不良が生じていることが分かりました。日本共産党茨城県委員会が原子力規制庁に行ったヒアリングで明らかになりました。

 新たに施工不良が判明したのは、「鋼製防護壁」と呼ばれる取水口部分の防護壁を支える北側の基礎部分。基礎をつくる鉄筋カゴが工事計画の深さにまで沈んでおらず、高い位置で止まっている状態にあることが分かりました。基礎が岩盤に到達していない可能性があります。

 ヒアリングで原子力規制庁原子力規制部の担当者は、高止まりを認めた上で「最終的に是正し、設計通りにやっていただくことが必要だ」と説明しました。

 党県委は16日の会見で、内部告発をもとに南側部分とともに北側部分の基礎の施工不良を公表。南側でコンクリートが十分に回っておらず鉄筋が変形しているほか、北側では基礎が岩盤に到達していない点などを指摘。原電は南側部分の施工不良のみを認めています。

 ヒアリングでは新たに、北側の基礎でも南側同様、コンクリートの未充填(じゅうてん)や鉄筋の変形といった施工不良が生じていることが分かりました。

 ヒアリングには塩川鉄也衆院議員、岩渕友参院議員、江尻加那県議、大名美恵子東海村議、花島進那珂市議、川澄敬子茨城町議、高橋誠一郎衆院茨城1区候補が出席。塩川氏は「北基礎の工事の不具合を公表していないのは事業者として問題だ。規制庁は検査待ちの対応ではなく、事業者としての説明責任を果たすよう原電に求めるべきだ」と強調しました。


解説 東海第2 また施工不良

原電に原発運転の資格なし

 来年9月の再稼働をめざして進む東海第2原発の防潮堤工事。規制庁へのヒアリングで、共産党の指摘に原電が認めた南基礎部分に加え北基礎でも、コンクリートの未充填や鉄筋の変形が明らかになり、鉄筋カゴが工事計画の深さに達していないことも判明しました。これら北基礎の施工不良の事実について、原電はいまだ公表していません。

 東海第2でずさんな工事が進んでいる実態の一部が今回、共産党と本紙への元工事関係者の証言で明らかになりました。しかも、事業者自身が「安全性向上対策の要」とする防潮堤での施工不良です。

 原電は南基礎の不備と工事の中断について、共産党の会見と同日に公にしました。この間、立地周辺6市村でつくる首長懇談会や県が独自に検証する「安全性検討ワーキングチーム会合」が開かれていますが、原電は一連の経過について説明していません。自治体や住民を軽視してきた事業者としての姿勢だけでなく、原発を運転する資格自体が厳しく問われています。

 (党茨城県委員会・高橋誠一郎)

(「しんぶん赤旗」2023年10月21日より転載)