東京電力福島第1原発事故で国の責任を求めて最高裁に上告している、いわき市民訴訟原告団らは15日、公平な審理を求めて2313団体分の署名を最高裁に提出しました。
会見では、伊東達也原告団長が国の責任を否定した昨年6月17日の最高裁判決を担当した第2小法廷でなく、第3小法廷での審議が決定したことについて「歓迎する」と述べ、6・17最高裁判決を「きちんと正してほしい」と強調しました。
今後、国の責任を求める同様の集団訴訟のうち名古屋や千葉、東京などで高裁判決が予定されています。「10年以上たたかってきたが、最高裁で最後の決着を目指し他の原告訴訟団と一緒に、全力で6・17不当判決を正すような判決を勝ち取るために頑張っていく」と決意を語りました。
日本環境会議理事長の寺西俊一・一橋大学名誉教授は、原発事故は人為的な災害であり、国の法的責任を否定した司法判断のもとでは、再び事故が発生する危険があると指摘。「6・17判決を是正し、国のしっかりした責任のもとで、原発公害の救済や補償、被害地域再生へ向けての政策展開を求めていきたい」と語りました。
国会内で開かれた報告集会には全国の原発避難者訴訟の原告や支援者ら約80人が参加しました。
(「しんぶん赤旗」2023年9月16日より転載)