放出凍結求める
東京電力福島第1原発事故からの復興と、汚染水(ALPS処理水)問題を考える福島円卓会議の3回目の会合が21日、福島市で開かれ、汚染水海洋放出の凍結などを内容とする「緊急アピール」を発表しました。
円卓会議は学者、研究者が呼びかけて7月に結成。呼びかけ人らが作成した文案をもとに、会合参加者の意見を得てまとめ上げ、近く国などに提出します。
アピールでは、「ALPS処理水」を今夏ごろまでに海洋放出するという「スケジュール」は2015年の「関係者の理解なしにいかなる放出もせず、処理した水はタンクに貯留する」という約束を順守するために凍結し、関係する人たちの参加による議論に付すべきだとしています。
そして、「地元の漁業復興の阻害をこれ以上許容できるものではなく、どうすれば漁業の復興を続けられるかを政府・東電も真摯(しんし)に考え、対話すべき」だと指摘しています。
アピールはまた、いま優先して取り組むべきは「地下水流入・汚染水削減の抜本的対策」だと強調し、海洋放出に関する東電の具体的な運用計画がないことを厳しく批判。今後は県民・国民・専門家が参加して議論する場が必要だと述べています。林薫平事務局長は「アピールが多くの人の目に触れるようにしたい」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2023年8月22日より転載)