新潟県が独自に原発の安全性を検証する「三つの検証」を取りまとめる検証総括委員会の委員が再任されず、検証が中断している問題で、池内了前委員長(名古屋大学名誉教授)ら4人の前委員が19日、花角英世知事に対し、不再任の経緯などの説明を求める要望書と公開質問状を提出しました。
事故原因、健康被害と避難生活への影響、避難方法の「三つの検証」の報告書は今年3月までにすべて花角知事に提出されましたが、検証全体をまとめる検証総括委は、県側が議題や運営方法で池内委員長と意見の相違があるとして2年以上開催しないまま3月末の任期で全7委員を再任せず、中断しています。
19日、提出を前に県庁で記者会見した池内、佐々木寛両前委員と米山隆一元知事(オンライン)は、検証総括委の自然消滅は「三つの検証」を完成させず県民に無責任だと指摘し、不再任の経緯と今後の検証体制について委員に直接説明する機会を設けるよう求める要望内容を説明しました。
池内氏は、知事には検証総括委で運営方法も議論したいと提案したが受け入れられなかったと説明。県技術委員会の報告書で柏崎刈羽原発の安全性や東京電力の適格性の検証が十分にされているか、検証総括委で検証することは当然必要だと述べました。
「三つの検証」を発足させた米山元知事は、県民が柏崎刈羽原発の再稼働の判断に資するために設けたもので、有識者が求めるなら東京電力の適格性の検証もやるべきだと認識していたと話しました。
(「しんぶん赤旗」2023年4月20日より転載)