東京電力は14日、福島第1原発事故で炉心溶融した1号機格納容器内部の調査で、原子炉圧力容器を支える円筒形の土台「ペデスタル」の内側の壁を撮影した画像を公開し、全周で損傷し鉄筋がむき出しになっていることを明らかにしました。同日開かれた原子力規制委員会の検討会で報告されました。
調査は3月下旬に行われ、土台の開口部や内側を水中ロボットで撮影。これまで内壁の全周の半分強を調べましたが、ロボットのケーブルがひっかかり進めず、残りの領域の調査を断念しました。
調査領域の土台の内側はコンクリートが損傷し、鉄筋がむき出しになっていました。一部は土台の厚さの中央にあるインナースカートと呼ばれる鉄板もむき出しになっていました。
今回、開口部から撮影した画像を分析したところ、調査できなかった南側の領域も鉄筋がむき出しになっていることが判明しました。
重量約440トンの圧力容器を支えるペデスタルは厚さ1・2メートルの鉄筋コンクリート製で、外径7・4メートル、内径5メートル。
東電は調査結果を受けて、ペデスタルの壁の厚さの半分が消失していることなどを条件にして、土台の耐震性を評価するとしました。
これに対して、規制委側は、万が一に備えて、ペデスタルの支持機能が喪失した場合に外部への影響をなくす方策を考えるべきだと指摘しました。
(「しんぶん赤旗」2023年4月16日より転載)