福島第１原発事故で被災し岡山県に避難した１０７人が、国と東電を訴えた「福島原発おかやま訴訟」の判決が１４日、岡山地裁（奥野寿則裁判長）でありました。

　判決は、東京電力の責任について「平穏生活権」の侵害を一部認めたものの、国の規制権限や予見可能性、水密化については評価・判断せず、「事故を防げなかった可能性が高く、国は賠償責任を負わない」と、国の責任を認めない最高裁判決を踏襲しました。

　弁護団長の石田正也弁護士は「われわれが１０年かけて主張したことに全く返事をせず、最高裁判決そのままに司法としての役割を果たさない判決で、怒りを通り越してあきれるが、私たちはこれを許さず、判決を覆すため頑張る」と語りました。

　原告団共同代表の土屋暢樹さんは「許せない判決。全国でたたかう人たちと手をつなぎ頑張りたい」と怒りを込めました。

　原告の芦川雄一郎さんは「土を耕して食料を得る者として、その土を汚される絶望。（認められた賠償額も）自分が時間をかけて打ち込んできたものを表すには低すぎる」と話しました。

　原告・弁護団らは、判決について「原発事故の対策は取る必要がないと言っているに等しい」「判決は不当である」とする共同声明を発表し、控訴することを決定しました。

（「しんぶん赤旗」2023年3月16日より転載）