環境省が、東京電力福島第1原発事故の汚染土の再生利用の実証事業を、新宿御苑(東京都新宿区)など3カ所で実施しようとしている問題で、同省が昨年12月の住民説明会の実施前に同事業の実施契約を締結していたことが、21日の衆院予算委員会分科会での日本共産党の笠井亮議員の質問で明らかになりました。
笠井氏の追及に、土居健太郎環境再生・資源循環局長は、昨年11月18日、企画競争の提案に唯一応じた「除去土壌等減容化・再生利用技術研究組合」と5億4000万円余りで契約していたことを認めました。
西村明宏環境相はこの間、説明会の実施に当たっては「丁寧に説明を尽くす」「地元の理解を得ずにやるということはない」と何度も表明してきましたが、その裏で計画を進めていたことになります。
同組合の役員は大手ゼネコン各社により構成されています。
笠井氏は、説明会前の契約締結は事業実施ありきだと批判し、汚染土の処理は「汚染者負担の原則」に基づくべきであり、国民・住民の合意もないまま、国が上から押し付けてはならないと主張。あわせて、原発の最大限活用を掲げる「原発回帰」の政府方針の撤回を求めました。
(「しんぶん赤旗」2023年2月23日より転載)