共産党議員団集計
2023年度政府予算案のうち、エネルギー関連予算の24・3%(約4分の1)に当たる4354億円が原子力発電関連に使われることが15日までにわかりました。22年度の4269億円と比べて85億円増となり、岸田文雄政権の原発回帰が鮮明です。日本共産党国会議員団事務局が各省庁提出の資料から集計しました。
政府のエネルギー関連予算は、経済産業省や文部科学省、内閣府など多くの府省にまたがっています。これらをまとめて当初予算のみについて(1)原子力(2)石油・石炭・ガス・資源(3)省エネルギー(温暖化対策)(4)自然エネルギー(5)水素―の5分野ごとに算出しました。
最も多くを占めたのが原子力分野です。岸田政権は10日に「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」を閣議決定。「脱炭素」を口実にして「原発回帰」へと政策を大転換しています。
予算上でも原子力の約2割を占める立地自治体への交付金を計上。再稼働などへの交付金を見返りに原発固執政策を地方自治体に押し付けています。
石油・石炭・ガスなど化石燃料および資源の分野は2459億円となり、22年度から84億円増加。従来と変わらず、原発、化石燃料に依存した予算となっています。自然エネルギーは915億円にとどまり、22年度から369億円も減りました。
エネルギー予算の総額は1・79兆円です。火力発電延命も含む「グリーンイノベーション基金」への約4500億円(22年度補正予算ではさらに3000億円)の積み増しなど基金事業が増え、予算の透明性が下がっています。
(「しんぶん赤旗」2023年2月19日より転載)