日本共産党の笠井亮議員が22日の衆院予算委員会で行った基本的質疑は次の通りです。
伊豆大島の台風被害
笠井 救助・救援・生活支援・自治体支援―万全の措置を
防災担当相 きめ細かな支援をする
笠井 日本共産党の笠井亮です。伊豆大島をはじめ台風26号などで犠牲となった方々におくやみを、そして被災者のみなさんに心からのお見舞いを申し上げます。
記録的な豪雨に襲われて、土石流による大災害を受けた伊豆大島の災害は依然として進行形です。私も19日に現地を視察し、被災者の方々から、「とことん救助・救援を」「今晩から心配の二次災害をなんとしても防いでもらいたい」「島でがんばっていく若い世代をぜひ支えてほしい」と痛切な声をうかがいました。
そこで安倍総理、政府としても救助・救援、そして二次災害の防止、避難体制確保に全力を尽くすとともに、被害の復旧、被災者の生活支援、自治体への財政支援、速やかな激甚災害指定など、国を挙げての万全の措置を取ることを求めたいと思います。
安倍晋三首相 被災された方々への支援、被災地の復旧等に総力を挙げて取り組んでいるところでございます。
笠井 古屋防災担当相、私もたまたま現場で大臣と一緒に、この災害で両親を失った被災者から具体的な要望をうかがいました。都立広尾病院に搬送されて集中治療室にいる妻や子どもの治療が長期間になるというので、付添人も近くに滞在できるようにしてほしいという要望でした。さらに先の避難勧告を受けて、20日には14人の入院患者も搬送されております。離島から都区内に搬送された患者の家族が近くに付き添うというのは当然ですが、病院には付き添い部屋が3室しかないと。そこで、災害救助法が適用されているもとで、当面の避難場所として近くに宿舎を確保・借り上げたり、あるいは食事代についても現金で出すこともできるはずでして、そういうことを具体的に解決すべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
古屋圭司防災担当相 災害救助法の適用によりまして柔軟な対応をしてほしいということでございますが、たしかに高齢者を対象として、島外への避難の意向を示している方がいらっしゃいますので、そういった対応も国庫補助ということも可能でございます。一方では、実際にご両親を亡くされた若いカップルの方のお話を聞けまして、そこでは、災害でけがをした人、本人は医療提供という形で災害救助法で支援の対象になりますけれど、付き添いの方については、東京都ともよく相談をしながら、柔軟な対応ができるような話し合いはしっかりしていきたいと思っております。いずれにしても、被災者の立場に立ったきめ細かな支援に万全の取り組みをしていきます。
笠井 いま被災者の立場に立ったというお話は非常に大事だと思うんです。83歳の女性が、敷地内に厚くたまった、そして重くなった土砂を必死にかきだそうとしたけれども、なかなからちがあかないと、そういう現状をうかがいました。それをかきだして、住宅を修理して、とりあえず住めるようにする、これは被災者の生活を取り戻す上で緊急に必要であります。東日本大震災の教訓を踏まえた改正災害対策基本法は「被災者一人ひとりの生活再建」を理念に位置づけました。その立場で災害救助法の適用ということで、そうした土砂排除や、あるいは住宅の応急修理を含めて、被災者の立場に立って援護を図る、そして災害からの復興を図る。二次災害を防ぐということを含めて、万全の措置を取っていただきたいと思います。
放射能汚染水処理
笠井 「放射能で海を汚さない」ためにあらゆる手だてを
首相・経産相 「海に流さない」と言わず
笠井 次に東京電力福島第1原発の放射能汚染水の問題です。あらためて確認いたしますが、今回の原発事故対策にあたる原子力災害対策本部というのが政府に設置されています。その本部長は、安倍総理、あなたでよろしいですね。
首相 本部長は私であります。
笠井 総理は、汚染水問題について、この国会の所信表明演説で、「国が前面に立って責任を果たしていく」と表明されました。なぜこれまでと違って国が前面に出るということを言われたのでしょうか。
首相 福島第1原発の事故は、いままで、まだ世界でも経験をしてこなかったような過酷な事故であります。そしてその事故を受けて、廃炉、そして汚染水の対策、これは相当大きな難しい課題がたくさんあるわけでございますので、これは東京電力任せにすることなく、今後の工程表の管理や進捗(しんちょく)管理、そしてさまざまな難しい課題の解決等については国がしっかり責任を持って対処していくべきであると判断したところでございます。
「国が前面に」というならふさわしく転換を
笠井 世界で経験したことがない事故が起こって、大変に難しい課題があると総理が言われました。
福島原発事故から2年7カ月が過ぎて、事故はまだ進行形で、15万人の県民が県内外で避難生活を続けています。わが党は直ちに「原発ゼロ」の決断にこそ踏み切るべきだということを提案しておりますが、同時に、この汚染水問題でいえば、原発や将来のエネルギー政策について立場の違いを超えて英知と総力を結集して当たるべきだと「緊急提言」も行いました。
総理はいま国が前面にということを言われましたが、そうおっしゃるのであれば、私は、それにふさわしい転換が、切り替えが必要だと思います。
まず、いま福島原発からは、一昨年3月の事故直後に大気中に放出された量を大きく超える規模で大量の放射性物質が汚染水という形で出続けている。セシウムとかストロンチウムとか、そういうものを含む汚染水が毎日400トン増え続けて、この原発のなかで漏れ続ける事態が相次いでいます。そういう事態に対して「海を汚してほしくない」と、これがまず何よりも地元の福島県民の痛切な願いです。
そこで、総理、対策本部長として、「放射能で海を汚さない」、そのためにあらゆる手だてをとる、そういう立場で向かっていらっしゃるのでしょうか。
首相 いままで後手後手の対応であったことから、先手先手の対応に変えていかなければならない。政府としては、全体の工程管理や進捗管理、あるいは技術的難易度が高い汚染水問題解決のボトルネックとなっている事業の財政措置、そして予防的かつ重層的な対策の検討、国内外での正確な情報発信などに責任感を持って取り組んでまいります。
委員もいま触れられたように、世界の英知を活用しながら予防的かつ重層的な対策を講じていくことで、一日も早い汚染水問題の解決に向けて取り組んでいく考えであります。
笠井 私がうかがったのは、「放射能で海を汚さない」、このことをきちっと原則として確立すると、そういう立場で臨みますかと聞いているのです。
茂木敏充経済産業相 海を汚さないためには、まず、山側から入ってくる800トン、敷地内だけでも400トン、この地下水を汚染源に触れさせない、汚染水にしないということが重要です。同時にたまっている汚染水、この放射能を除去していく。多核種除去装置、63核種のうち62核種まで取り除けます。こういった取り組みをする。
笠井 そういう対策を英知を結集してやるのは当たり前なんです。同時に問題は、いま現に毎日のようにサイト内で漏れている、流出が起こっているということを、それに対してどう前面に立つかどうか、そのときに、総理、汚染水で海を汚さない、はっきりこのことを、その立場に立ってやりきるかどうかですよ。
首相 汚染水の影響を外洋に拡大させず、国民の健康を守っていくことが、きわめて重要であると考えております。この観点から、汚染水の対応については、まず地下水流入量抑制による汚染水の増加の防止、そして汚染水処理施設の整備による汚染源の除去、タンク増設による汚染水の管理といった手段、手当てを講じることで、海への安易な放出は行わない方針であります。
笠井 「安易な放出を行わない」といわれるわけですよね。「安易な」なんですよ。今は海を測って基準値以下だってことをいろいろ言われるんですけども、原発サイト内では毎日のように、汚染水が漏れトラブルが起きているわけです。港湾外にセシウムが流出していることも判明しているわけです。台風26号でも東電は、大量の雨水を流してタンクの堰(せき)11カ所から基準値を大きく超える汚染水が流出し、外洋に出た可能性が濃厚といっているわけでしょう。まだ海での数値として、非常に高いところが現れているのかどうかが問題になっているんです。要するに総理は「安易な放出はしない」としかいえないのは、結局「海は汚さない」と確約できないからじゃないんですか。
経産相 外洋への影響につきましては、福島県沖を含め広い範囲におきましてセシウム濃度を継続的に測定しています。結果は継続的に基準値をはるかに下回る、もしくは測定できない値でありまして、汚染水の影響は一定のエリアにとどまっていると考えております。
笠井 毎日のようにトラブルが起きて、雨水が漏れて、汚染水が出る状況なんでしょう。それがいま、現時点で、海でどれだけの濃度になっているかってことは別ですよ。薄くたってそれが大量になってどんどん出続けて海に行けば、海への蓄積はばく大な量になる。総量が問題なんですよ、これから。まだ出ているところが止まっていない、これから出ていく状況をとめていないんだから。
今年8月19日に、4号機の山側にあるタンクから300トンあまりの汚染水が漏れ出しました。先週17日には近くの井戸の地下水で、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質の濃度が前日までの6000倍以上に一気に急上昇する。この300トンの汚染水がどこへ行ったのか。海や地下にどこまで広がってしみこんだのか。それを総理ご自身わかってらっしゃいますか。
経産相 汚染水漏れ、個々の事象は確かに起こっております。それが海に出ないようにさまざまな重層的な対策を取っております。当然、地下にしみこんでいる分につきましてもその汚染された土を回収する、またそこで取りうる限りの水を取り出す、こういった努力も続けております。
笠井 300トンがどこまでどう広がってしみこんでいるのか、海や地下はどうなっているのか聞いてるんです。
経産相 8月19日に300トン漏れたH4タンクエリアの汚染水についてはこれまでの観測結果から、多くは近くの土壌にしみこんでいると考えられています。引き続き周辺の状況を監視します。
危機的な状況という認識があるのか
笠井 考えられているけど引き続き調べてやっていくという、分かってないって話でしょう。この汚染水が今後どう動くかも分からないんですよ。いろんな場所から、さまざまな経路で、長時間にわたって大量の汚染水が海に出る恐れがある。だからそういう可能性があることについて、本部長である総理にはそういう危機的な状況、あるいは瀬戸際にあるという認識があるのかが問題になってくるんです。そういうときに総理は国際舞台で「状況はコントロールされている」「影響は完全にブロックされている」と断言されたわけです。ところが本会議では、「全体として」という言葉をつけられた、「状況はコントロールされていると考える」と。そして、「完全にブロックされている」というのは、「完全に」という言葉を取られた。なぜ言いぶりが変わったんですか。
首相 基本的には同じであります。汚染水の影響はブロックされていると申し上げたわけでございまして、いわば健康への被害という意味においても、まあ完全にブロックされているわけでありますから、その考え方においては、これは変わっていないということでございます。
笠井 いま基本的に同じといわれました。健康への影響は「完全に」しましたが、汚染水のことについてはブロックとしか言われない。「完全に」という言葉がなくなったのはなぜですか。
首相 「完全に」ということを、これはもうオリンピック招致の際に申し上げているわけですから。われわれは、この汚染水の問題については、しっかりとモニタリングを行っておりまして、このモニタリングの結果、全て基準値よりもはるかに下回る数値しか出ていないわけでありまして、そういう意味におきましては、汚染水の影響は完全にブロックされているということで申し上げているわけでございます。
笠井 「完全」というのにまた戻るわけですね。総理、本会議では個々の事象は発生している、だから「完全に」ということは言わなかった。あのときに言ったことは間違いだと率直に言われれば良いんじゃないですか。「コントロール」についてなぜ、「全体として」となったんですか。
首相 今まで、近海においてモニタリングを行っていて、その数値において基準値をはるかに下回っているという状況において、私は状況を含めてコントロールしていくということを申し上げているわけです。
浪江町議会の意見書――首相の発言を批判
笠井 9月に国際舞台で言った後も、個々の事象が起こっている。「コントロール」というのは個々の事象も含め、汚染水が全て手のひらに乗っかっているということになるわけで、どう流れているか分からず、分かっている部分も漏れ出しているというのは「コントロール」とは言わないんですよ。福島県民も国民も明らかに事実と違うことを繰り返し言われたり、表現変えたりするから怒っているわけです。そこで、パネル(次ページ表)にしてまいりました。福島県の浪江町の町議会が9月議会において、全会一致で採択した意見書の部分です。
この中で、総理のIOC(国際オリンピック委員会)での発言について、「事実に反する重大な問題があると考える」ということでこういっています。「現実には地上タンクからは、大量の高濃度汚染水が漏れ、地下水を汚染し、湾内に流出し、汚染水が防波堤の開口から外洋へ流出していることは誰の目にも明らかである」。この意見書の指摘をどう思われますか。
首相 健康への影響について、影響は完全にブロックされていると申しあげたわけでございまして、つまり、影響といえば、さまざまな基準値において、それを超えるものが出たら、これは影響が出ているということになるわけでございます。
さまざまなご意見もございますので、もっとしっかりと説明していく必要があると思うわけです。先般お伺いいたしました相馬市においてはですね、漁協のみなさんはしっかりと風評被害を払拭(ふっしょく)してもらいたいということでありました。彼らが試験的に操業しているお魚、魚介類等には安全性においてまったく問題がないという結果が出ていますから、そのことはしっかりと内外に対して発信してもらいたいということであります。
「非常事態」の認識共有し、専門家の英知集め公表を
笠井 健康の問題も影響が出たら大変なんです。私も相馬にも、いわきにも行きました。試験操業を開始した漁民のみなさんも、「これから出たら困る」「しっかりと対処してくれ」ということを言われているわけです。汚染水の現状も今後、どうなるかも分からないのに、ブロックされているとか、風評とかいって、事態を小さく見せてまともに対応しないってことではダメだ。そういう国の姿勢に(浪江町議会の)意見書は怒っているし、県民、国民は怒っているわけです。世論調査だって、7割が「コントロールされていると思っていない」と言っているわけですから。
福島県知事も、「国家的な非常事態」といわれています。事故は収束していない。政府として、「収束宣言」を撤回して、まさに汚染水問題は非常事態にあるとの認識を共有すべきだと思います。いずれにしても事実に向き合うと言われるなら、首相の責任で放射能汚染水の現状、地下水脈の実態、海洋に出た総量とモニタリングなど、あらゆる立場の専門家の英知を結集して徹底調査して公表すべきだと思いますが、いかがですか。
首相 汚染水問題については、地下水等の専門家を集めた汚染水処理対策委員会における検討や、国際廃炉研究開発機構による専門家を集めた汚染水問題関連技術の公募を行うとともに、海洋モニタリングにおける国際原子力機関との協力、東京電力による社外専門家の招へいなど、国内外の専門的知見を総結集して対応しております。汚染水対策の状況については、その都度、公表しているわけでございます。今後も世界の英知を活用しつつ、汚染水問題の解決に向けた取り組みをしっかりと進めてまいります。
笠井 汚染水もれをくり返すなか対策会議が行われていない
経産相 「会議が踊る」ではよくない
笠井 これだけ深刻な事態なのにとんでもない発言だ
笠井 この汚染水問題が重大化したということで、9月3日に原子力災害対策本部会議が開かれました。本部長である安倍総理がその場で「東電まかせにせず政府が前面に立ち解決にあたる」と述べられました。それから50日たっているわけですけれども、さまざまな汚染水漏れ、あるいはトラブルが起こっている。その後、総理は対策本部を何回、開かれましたか。
経産相 9月3日に原子力災害対策本部を開きまして、そこで三つの基本方針、総理のご指示をいただきました。それにもとづきまして、9月10日に関係閣僚等会議を開きました。さらには現地の対策本部を設置し会議を続けております。
笠井 長々言われて、私の質問に一つも答えていないですよ。対策本部会議をやったかどうかを聞いているんです。総理は本部長でしょう。
経産相 9月3日に対策本部を開き、大きな方針の決定をいただきました。
笠井 やってないんでしょう。やったんですか、総理。やったかどうか言ってください。いいかげんにごまかさないで。(発言する者あり)
二階俊博委員長 静かにしてください。
経産相 9月3日に開かせていただきました。その後のフォローアップはつかさつかさで行っています。また必要な状況になりましたら原災対策の本部会議を開かせていただきます。
笠井 総理、やったんですか。一言、言ってください。
首相 今、大臣からお答えをしたように9月3日に大方針を決めたということであります。
笠井 なんでやっていないってことをそんなに言いたくないんですか。
経産相 たくさんの会議を作って、連日のように会議だけが踊っていれば問題が解決するとはわれわれは思っておりません。
笠井 会議が踊っていればいいとか、そんなとんでもない話ですよ。こんなに深刻な事態が起こっているのに、やっていないということについて率直に認められないという話です。9月3日以降も、港湾でなく外洋にもセシウムが直接漏れていたと、毎日のようにそういう事態が起こっているわけです。それなのに、対策委員会を1回もやっていない。あれこれやっているというけれどそれほどの認識だということなんですよ。総理は東電社長の後ろにいるだけで、表に出てその事態についてちゃんと言わない。本部長は前面に出て対処すべきだと思うんです。
東京電力は原子力規制庁に求められて10月15日に、「福島第1原発の汚染水貯留設備タンクからの漏洩(ろうえい)の問題点と現場管理の強化について」という報告書を出しました。総理は本部長として、その報告、ご存じでしょうね。
経産相 現場の管理体制、保管体制について万全を期すと。9月3日の原災本部、そして10日の関係閣僚会議で決めさせていただきました。総理もその後、現地を視察しております。そして、例えば、この漏えいの原因になっておりますパトロール体制を強化しました。
笠井 総理が、東電が出した報告書をご存じですかと聞いているのに、なんで茂木大臣が関係ないこと言うんですか。
首相 東電の報告については受けております。
笠井 東電は必要な要員配置せず汚染水漏れをくり返していた
笠井 茂木大臣、こういうのを「総理をブロックしている」と言うんですよ。報告を読んであきれました。必要な要員配置や体制を取らないままに作業が進められ、汚染水漏れを繰り返していたと東電自身が認めています。例えば、今月1日にホースの接続ミスで汚染水がタンクから推定5トンあふれ出た事故で、水の移送作業を1人で実施せざるを得ない状況だった。傾いたタンクに過剰注水して高濃度の汚染水が外洋流出した。2日の事故では地盤が傾いていることを承知しながらどれだけ傾いているか実測していなかった。忙しい状 況が続いて要員が不足しているもとで、対応の手順書も作らずに、水位の確認作業もきちんとされていなかった。広瀬社長、そういう報告書ですね。
広瀬直己・東京電力社長 そのように記載されているところでございます。
福島第1原発の人員を減らしている
笠井 総理は本会議で、そういう状況のなかで、東電は200人増員しますから、やってますからと言われたんですけれども、しかし実際にはどうかといえば、このパネル(左上)をごらんください。東電の福島原発の作業員というのは、今年に入っても減っているのが現実なんです。汚染水問題が深刻になったのに、9月、10月にかけてガクンと減っているんです。現場の作業員のみなさん、本当に長時間の過酷な労働のもとで、しかも不慣れな方々が多くなってきて、手当もまともに払われない状況がある。線量が上限まで浴びた方々は作業もできない状況になっているなかで、こういう事態が実際に起こっている。
この一つをとったって、対策本部会議を開いて、こんなことで本当に汚染水問題対策できるのかといって、ちゃんとやるべきではないですか。こんなときに(原発)再稼働とか言っている場合じゃないといって総理が決断すべきじゃないですか。
首相 委員が指摘されたように200人増員をはかることとしておりまして、原子力規制庁長官からは、東電の広瀬社長に対して、早急に現場管理が正常に行われるように手当てをすることなどをさらに求めているわけでございます。
笠井 再稼働をやめ汚染水対策に集中し、原発ゼロの決断を
規制委は再稼働審査のための人員まで募集
笠井 首相自身が乗り出さなきゃダメなんです。片方で政府は何をやっているかといったら、(原子力)規制庁の求めに応じて再稼働のために人員募集までやって、総務省も認めている。こんなことは許せないと思います。汚染水問題、国が前面に出ているとは思えない。文字通り、再稼働をやめて、そして本当にこの問題に集中する。そして、ひとたび事故が起こったら大変なことになるということで「原発ゼロ」の決断をする。小泉(純一郎)元総理だって言われている。そういうことをやるべきだと強く求めたいと思います。委員長、この問題の集中審議(実施)ぜひ理事会で協議をお願いします。
委員長 後刻、理事会で協議をいたします。