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規制庁 原発の運転期間延長・・指示前に経産省と検討

 原発の運転期間延長で原子力規制委員会が検討を始める前に、事務局である原子力規制庁が経済産業省と法整備の検討をしていたことを示す内部文書が明らかになりました。NPO法人・原子力資料情報室が12月21日、内部資料を公表しました。

 この問題では規制委が10月5日、経産省担当者を呼んで、運転延長などの検討状況を聴取。山中伸介委員長は規制庁に対し制度の検討を指示しました。

 今回明らかになった、8月時点に作成されたとされる内部資料には、規制委所管の原子炉等規制法(炉規法)で規定されている運転期間の制限を、経産省所管の電気事業法に移管し、来年の通常国会に関連法として提出予定だと具体的な改定方法を明記。スケジュールや法律事項を経産省と調整・検討するため「4名程度のコアメンバーで立案作業に着手」とあります。

 これまで規制委の山中委員長は衆院環境委員会で「原子力規制庁と資源エネルギー庁との間でシナリオがつくられたというものではございません」と答弁していました。

 21日の会見で、山中委員長は「(資料は)承知していない」とした上で、「(事前の)頭の体操は悪いものではない」と述べました。

 同情報室の松久保肇事務局長は「第1原発事故後に決めた『規制と推進の分離』があいまい化し、元の形に戻ってしまっている」と批判。委員長が知らないことについて「規制委が規制庁を統治できていないのではないか」と指摘しました。

(「しんぶん赤旗」2022年12月23日より転載)