首都圏反原発連合(反原連)は10月25日、雨のなか原発に反対する首相官邸前抗議行動を行いました。福島第1原発では、放射能汚染水の流出や放出が相次ぐという非常事態が続いています。
この日は、台風接近のため官邸前の抗議エリアのみで行動しました。カッパや傘の参加者たち1100人(主催者発表)が、「汚染水 海にすてるな」などのプラカードを掲げ、「汚染をとめろ」「原発いらない」「再稼働反対」と声をあげました。
昨年7月から毎週参加し続けている東京都豊島区の男性(71)は「安倍首相は汚染水がコントロールされているというが、誰も信じない。小手先ではなく、国が先頭に立って抜本的対策をとるべきだ」と語りました。
横浜市から毎週参加している男性(65)は「原発が1基も動いてなくても、電気は足りていますよ。汚染水垂れ流しのなか再稼働や輸出をしようなんて世界に対して恥さらしです」といいます。
東京都千代田区から参加した男性(54)は「大雨のたびに、なし崩しに汚染水を放流して、さらに再稼働なんて、これは世界中に対する暴挙です。海は日本だけのものじゃない」と語りました。
笠井、吉良氏スピーチ
日本共産党の笠井亮衆院議員と吉良よし子参院議員は25日、首相官邸前抗議行動でスピーチしました。
笠井氏は、衆院予算委員会で国の責任で汚染水対策を実行するよう求めたが、安倍首相は“安易な放出はしない”と繰り返すだけだったと批判。「今すべきなのは、国が前面に立って事故に対応すること、原発ゼロを決断することだ」と述べました。
吉良氏は、安倍首相が原発輸出を狙うトルコへの訪問を計画していることを告発し、「原発を再稼働する必要性も輸出する理由もない。皆さんと一緒に声を上げ続ける」と訴えました。
原発ゼロ 共感の声 金曜行動
原発再稼働反対、即時原発ゼロを求める金曜日行動が10月25日も各地で行われました。
新潟
新潟市では、「なくそう原発新潟市民ネット」の63回目の行動が新潟駅近くの石宮公園で行われ、市街をデモ行進しました。集会で参加者は「原発市民団体が共同で県要請したことをテレビ3社が報道した。原発連絡会の集会でも替え歌を披露できたことに確信もとう」「11月に市民団体有志で、原子力規制委員会に再稼働につながる東京電力の審査を中止せよと申し入れることにした。柏崎刈羽原発廃炉の取り組みをさらに強めよう」と発言しました。
恒例の替え歌では「雪椿」の原発ゼロ版として、「危うさと誠意のなさが裏と表についてくる そんな東電の原発だから 県民その分がんばりますと毎週金曜ほほ笑みデモヘ ゼロに原発ゼロに原発 柏崎」と合唱しました。
富山
富山県の「いらんちゃ☆原発@富山」は、富山市のCiC前広場で62回目の金曜日行動にとりくみました。
台風27号の影響でテントも立てられないくらいの強風と大雨のなか、5人の参加者は原発なくせとコールしました。27、28両日に富山市内で上映される映画「渡されたバトン」について宣伝。志賀原発再稼働反対・廃炉を求めて開かれる「11・9石川県民集会」への参加も呼びかけました。
石川
石川県金沢市のJR金沢駅東口広場で、67回目の金曜行動が行われ、約30人が参加しました。
参加者らは、首都圏反原発連合製作のリーフレットや11月24日に金沢市内で開催するパレードのチラシを配布し、「原発は必要かどうか」を聞くシールアンケートを使って通行人と対話しました。
最初は「電気が足りなくなるから原発も仕方ない」と話していた男子高校生が、対話の中で原発事故の深刻さや自然エネルギーの可能性の高さを聞き、「原発から自然エネルギーなどへ変えていくのが一番いいかもしれないですね」と応じる場面もありました。
東京電力福島原発の現状や原発の危険性を訴える写真も展示。それぞれが持ち寄った「原発は廃炉に」などと書かれたプラカードでアピールしました。
福井
「再稼働反対。自然を守れ」。原発再稼働に反対する定例行動が、福井市の関西電力地域共生本部の前で取り組まれ、参加者が声を上げました。今回が開始から68回目です。
参加者の発言では、秘密保護法案の問題が話題になりました。68回の抗議行動すべて参加している福井市の西村明宏さんは、政府担当者が同法案で原発関連情報も秘密指定されうると認めたことを告発。「こんな法案を通したら大変だ」と強調し、同法案、原発とも断念させるための国民の世論と運動の強化を呼びかけました。
愛知
名古屋市の関電東海支社前に集まった市民は「原発事故は手に負えない」「福島を無視するな!」と抗議の声を響かせました。
2カ月前に参加し、コールの音頭も取る男子高校生(2年)は「事故は時間がたてば解決すると思っていたけど、2年半たっても汚染水とかの新しい問題がいまだに出ている。僕らの将来のことだと思ったら、おとなだけにまかせてちゃいけないとスイッチが入った。来週は東京に行くので官邸前で訴えます」と話しました。
岐阜
岐阜県恵那市の恵那駅前で、原発ゼロを求める行動に取り組みました。
参加者は交代でマイクを握り、「汚染水を海に流せばいいというような政府の対応は、無責任すぎる。原発の再稼働、輸出なんてとんでもない」など訴えました。シュプレヒコールで「原発なくせ」「廃炉廃炉」「廃炉まで頑張ろう」と声をあげ、アピールしました。
来月からは月1回、第3日曜日午後3時から恵那駅前で取り組みます。
静岡
静岡県富士宮市では、台風27号の影響で「再稼働反対アクション@富士宮」、が中止になり、参加者らは学習会を行いました。
政府が11日に閣議決定した「子ども・被災者支援法」の基本方針について、「被災者の意見が反映されていない。支援対象地域の放射線基準が示されていない」などの問題改善を国に求める陳情を富士宮市議会に提出する計画や、11月16日に「バイバイ原発サウンドパレード」を市内で実施する計画を語りあいました。