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原発新設延長に異議・・経産省審議会委員が表明

 原発の再稼働や原発の運転期間の延長、次世代革新炉の開発・建設など岸田首相が検討の加速を指示した原発推進方針について議論している経済産業省の審議会が10月13日、開かれました。

 議題として3氏が説明。うち審議会の委員で原子力資料情報室の松久保肇事務局長は、方針にかかわる新設・既設原発の問題点を説明し、老朽原発をさらに使おうとする運転延長について「『安全性が最優先』という原則に反する」と述べ、新設する原発は「気候危機対策にも電力需給対策にも間に合わない」と指摘しました。

 松久保氏は、「次世代革新炉」のうち「革新軽水炉」の機能がすでに世界の多くの原発で導入済みだとして「国際的に通用しない『革新軽水炉』なる国内向け宣伝文句でごまかすのは、やめるべきだ」と指摘。計画から運転開始までに時間がかかり、近年の世界の次世代軽水炉が計画通りのコストや工期で建設されたものが非常に少ないとして、温室効果ガス削減の即効性ある対応が求められているなかで「長時間を要する原発にかけている余裕はない」と述べました。

 また、原発への攻撃可能性が顕在化したとして、この危険に対処できないなら「原子力を使うことを断念することも選択肢として考えるべきだ」と強調しました。

 この日は他に電気事業連合会の原子力開発対策委員長、産業界の自主規制組織・原子力安全推進協会の理事長が説明しました。

(「しんぶん赤旗」2022年10月14日より転載)