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福島原発汚染土壌 最終処分の受容性・・手続き・分配の公正さを重視

 東京電力福島第1原発事故の除染作業で発生した汚染土壌を福島県外で最終処分することへの社会受容性について、産業技術総合研究所、大阪大学などの研究チームがアンケート調査の結果を公表しました。処分される物質の量や濃度より、手続きと分配の公正さの方が重視されていることが明らかになりました。

 2011年の事故後、除染により福島県内で発生した汚染土壌や焼却灰(総発生量の見込み=約1330万立方メートル)は、原発が立地する同県双葉町、大熊町の中間貯蔵施設で保管されています。これらは45年までに同県外で最終処分を完了すると法律で定められていますが、処分方法や処分場の場所、合意形成のプロセスなどは決まっていません。

 研究チームは、地域、年齢、性別を均等に割りふった福島県以外の全国の4000人を対象にウェブアンケートを実施。(1)受け入れが決められた経緯(トップダウン型/意見収集型/意見反映型)、(2)処分する物質の量と濃度(大量・中濃度/中量・高濃度/少量・超高濃度)、(3)処分場と居住地の位置関係(地域内/市町村内/都道府県内)、(4)全国の処分場の数(1カ所/8カ所/46カ所)―の4属性からなる選択肢で表現し、受け入れやすさを調べました。

 その結果、最終処分場の設置について、居住地から遠い場所の方が受け入れられやすいだけではなく、受け入れ決定の経緯についてはトップダウン型より意見反映型、処分場の数は全国1カ所ではなく46カ所の方がより受け入れられやすいことが分かりました。

 研究成果は、米科学誌『プロス・ワン』(6月22日付)に掲載されました。

(「しんぶん赤旗」2022年9月19日より転載)