再稼働の前提となる審査が長期化している東通原発(青森県)をめぐり、東北電力は17日、原子力規制委員会に対し、「審査の論点を事前に通知してほしい」などと、審査の効率化を要望しました。
東北電力が申請したうち、女川原発2号機(宮城県)は“合格”まで約6年かかり、東通原発は申請から約9年たちますが、審査が今も続いています。
規制委は東北電力の経営層と意見交換。樋口康二郎社長は審査の早い段階での追加の確認事項を指摘することや、審査の予見性確保として論点・確認事項を事前に文書で提示すること、基準の解釈の明確化などを求めました。これに対し委員からは「審査会合の頻度を上げれば、ムダは省ける」とする意見のほか、「予見性といわれても難しい。最初からこうやればいいという、王道は存在しない」との意見もありました。
更田豊志委員長はこの日の会見で、審査の長期化の要因のほとんどは断層の活動性に関するもので「短縮できる部分は極めて限られている」「事業者努力に負うところが大きい」と述べました。
岸田首相は原発の最大限活用の方針の下で、審査を早く進める「審査の効率化」に繰り返し言及しています。
(「しんぶん赤旗」2022年8月19日より転載)