原子力規制委員会は8月17日、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の意図的な航空機衝突などのテロ対策のための施設、「特定重大事故等対処施設(特重施設)」の基本設計などについて正式に許可しました。特重施設の許可は、事故を起こした東電福島第1原発と同じ沸騰水型原発では、日本原子力発電の東海第2原発(茨城県)に続き2例目。
柏崎刈羽原発は、侵入検知装置の故障を放置されるなど核セキュリティー(核物質防護)上の不備が相次ぎ発覚したことから、規制委は昨年4月、事実上の運転禁止を命令しました。昨年9月に提出された東電の報告に基づき改善活動などについて規制委の追加検査が続けられており、核物質防護に対する東電の姿勢が問われる中、規制委の重要な判断に疑問の声もあります。
17日の定例会で更田豊志委員長は「特重施設の基本設計を認めるということと、(運転禁止)命令の解除は無関係」などと述べました。
特重施設は、新規制基準で設置が義務づけられており、設置期限までに工事が完成していなければ原発を停止する必要があります。同原発の設置期限は、6号機は未定ですが、7号機は2025年10月です。
(「しんぶん赤旗」2022年8月18日より転載)