最高裁が東京電力福島第1原発事故に対する国の責任を認めない判決(17日)を出したことを受け、福島、群馬、千葉、愛媛の避難者が起こした4訴訟の原告団・弁護団は20日、日本共産党に判決への見解表明と一日も早い救済に向けた協議を要請しました。小池晃書記局長と高橋千鶴子衆院議員が受けました。
最高裁判決は、地震と津波の規模が大きすぎて対策をとっても、事故を防げなかったというもの。原告らは「(実際に行わなかった)対策を取っても防げなかったなどの判決は絶望」と批判しています。
千葉訴訟の原告の瀬尾誠さんは、裁判が終わっても除染や廃炉、被害救済は終わっていないと指摘。汚染水の海洋放出問題に触れ、「(被害は)いつまで続くのか。国は責任を持って対応しておらず、政治を変えなければどうしようもない」と訴えました。
群馬訴訟の原告、丹治杉江さんは被災者の困窮や自身の親族の自死を振り返り、「事故は人々の人生を狂わせた。せめて東電の小早川さん(智明社長)は群馬まで謝りに来てほしい」と述べました。
小池氏は「国におもねる判決だ。安全神話で原発を推進し、被害を振りまいておきながら国に責任がないというのは許せない」と批判。「被害が想定外というので免罪されるのであれば日本に原発をおいてはいけないということだとし、国会でも追及する。参院選の争点とし、勝利したい」と述べました。
生業(なりわい)訴訟の原告団長・中島孝さんは要請後、「原告団を解散せず、2次訴訟を支援してたたかいを続ける」と明らかにしました。
(「しんぶん赤旗」2022年6月21日より転載)