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水中ロボ、器具設置完了・・福島第1 格納容器内部調査

水中ロボットが撮影した1号機原子炉格納容器の底部の状況=8日、福島第1原発(東京電力提供)

 東京電力は2月9日、炉心溶融(メルトダウン)事故を起こした福島第1原発1号機の原子炉格納容器内部の調査について、投入した水中ロボットが、格納容器内にリング状の器具4個を設置する作業を完了したと発表しました。搭載カメラによる映像で堆積物の存在が確認されましたが、溶け落ちた核燃料(デブリ)かどうか判別はつかないといいます。

 東電によると、リング状の器具は、後続の水中ロボのケーブルが構造物に引っかからないようにするためのもの。ロボを投入した8日に3個、翌9日に1個を予定通りの位置に設置しました。

 一方、搭載カメラでは、堆積物のほか、切断された構造物の切れ端などが確認されました。8日の調査では、毎時1~2シーベルトの放射線量が計測されました。水中ロボは10日、格納容器内から回収する予定です。

 調査は今後、カメラや超音波距離計、中性子測定装置などを搭載した5種類の後続の水中ロボを格納容器の貫通孔から順次投入。堆積物の採取もめざします。当初は8月ごろまでの予定でしたが、今回の1台目の水中ロボ投入が約1カ月遅れとなった電源トラブルへの対応のため、今後の予定は見通せないといいます。

 格納容器の底部には溶け落ちたデブリが大量にあるとみられており、東電は「デブリ取り出しに向けた装置や手順の検討につながる情報を得たい」としています。

(「しんぶん赤旗」2022年2月10日より転載)