原子力規制委員会は11月6日の定例会で、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)での4件の核物質防護規定違反が見つかったとして、再発防止のために厳重注意文書を原子力機構に出すことに決定しました。規制委は、問題は「組織体制に起因する」と指摘しています。
規制庁は7月、もんじゅに対し核物質防護規定の順守状況検査を実施。その結果、▽立ち入り制限区域の柵の高さが一部で足りない▽見学者の身分証明書の写しを取得していなかった▽核物質防護設備の定期点検を適切に実施していなかったなどの核物質防護規定の違反が見つかったといいます。また、規制委が指導していた事項も、特段の理由もなく、従っていなかった事例も多数あったとしています。
核物質防護規定は、核兵器に転用される恐れのあるプルトニウムなどが外部に持ち出されないよう定めていますが、情報隠しの口実に使われている面もあります。
規制庁によれば、もんじゅでは核物質防護管理者などが、担当者任せにしており、適切な指導、助言もおこなっていなかったといいます。また、担当者は、防護措置以外の業務を優先し、防護規定の詳細な部分についての理解も不足していました。