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汚染水放出 東電が申請・・福島第1 地元・漁業者反対の中

 東京電力福島第1原発事故で発生する放射能汚染水を処理した後に残る高濃度のトリチウム(3重水素)汚染水(アルプス処理水)の海洋放出について、東電は21日、必要な設備などの計画を盛り込んだ申請書を原子力規制委員会に提出しました。地元や漁業者は、海洋放出そのものに根強く反対しています。本格的な工事は、規制委の認可後になります。(共産党などが福島県に反対申し入れ15面)

 福島第1原発では、溶け落ちた核燃料(デブリ)がある原子炉建屋に地下水などが流入し、日々、汚染水が発生。アルプス(多核種除去設備)で除去できないトリチウムなどを含むアルプス処理水129万トン(16日現在)が、敷地内のタンクに保管されています。

 東電は今年8月、アルプス処理水を国の基準を下回るよう海水で100倍以上に希釈し、海底トンネルで原発から約1キロの沖合に放出する方針を発表。新たに設置される海底トンネルは、直径約2・5メートル程度の鉄筋コンクリート製で、岩盤をくりぬいて敷設します。

 東電の計画では、規制委の審査に約半年を見込んでおり、設備の完成は2023年4月中旬ごろを目指すとしています。東電は、タンクが満杯になるのは23年の春ごろとしていますが、保管用のタンクのさらなる増設の申請については、「慎重に判断する」としています。

 政府は今年4月に処理水の海洋放出方針を決定しました。

(「しんぶん赤旗」2021年12月22日より転載)