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全面救済と原発ゼロを、福島原発訴訟のめざすもの・・馬奈木厳太郎・原告弁護団事務局長に聞く

東京電力福島第1原発事故で、国と東京電力に原状回復と損害賠償を求めた福島原発訴訟の第3回口頭弁論が11月12日い福島市の福島地方裁判所(潮見直之裁判長)で行われます。今回から南相馬市や浪江町などの避難者14世帯26人が5月に提訴したふるさと喪失訴訟と併合して審理されます。訴訟のめざすものについて原告弁護団の馬奈木厳太郎(まなきいずたろう)事務局長に聞きました。
(聞き手 菅野尚夫)

第3回口頭弁論で、生業(なりわい)を返せ、地域を返せ 福島原発訴訟と、ふるさと喪失訴訟の二つの裁判が一本化されることになりました。これによって福島原発事故によるあらゆる被害について一つの裁判で立証できるようになりました。

1万人の原告団・・これまでの公害裁判で勝ち取ってきた成果と英知を結集してたたかう

すべての被害者を団結させたたかう土壌ができました。追加提訴を準備しており1万人を超える原告団を目標にしています。

12日の弁論では原告側は国の責任を追及します。法廷で福島原発事故の国の責任について本格的に審理されるのは、進行中の訴訟のなかで初めてです。トップバッターとしての責任を果たしたいと思います。

被告の国は、責任はなかったと主張しています。私たちは、国には重大な責任があると主張しています。

国には安全確保についての権限と義務があった。にもかかわらず適時適切に権限を行使しなかった。そのために国民に甚大な被害をもたらした・・と追及しています。

加害責任追及の目的は、被害に見合った、被害に即した形で国と東電に救済をさせることにあります。すべての被害者の救済を求めています。

旗印は①原状回復②全面救済③原発ゼロ社会・・の実現です。

未曽有の公害事件ですから、これまでの公害裁判で勝ち取ってきた成果と英知を結集してたたかいます。

原発事故の被害は、命と健康被害だけでなく広範な規模で桁外れの被害をもたらしました。見えない放射能による被害でもあり、法廷闘争で乗り越えなければならない課題もあります。

例えば、喪失したふるさとをとりもどす、失った財産を再取得し、地域のコミュニティーなどを再興させるのにふさわしい賠償にするためには、不法行為法の新地平を切り開かなければなりません。

全国民的な課題・・命や健康よりももうけが優先される社会でいいのかを問う

国と東電に責任を認めさせる。そのためには、当事者が多くなければ力を発揮できません。そのためにも少なくても1万人の原告団にする決意です。

この裁判で問われているのは、福島県というローカルな問題ではありません。命や健康よりももうけが優先される社会でいいのかを問う裁判です。問われているのは、全国民的な課題です。

未来に責任を果たすためにもこの裁判で勝利して原発ゼロの社会に作り変えていく。弁護士としての原点になる訴訟として全力でたたかいます。

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