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女川原発2号機 実効性欠ける避難計画・・仙台地裁 石巻市民が差し止め提訴

裁判所に向かう女川原発再稼働差し止め訴訟団=28日、仙台市

 東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働をめぐって原発25キロ圏内の石巻市民17人が28日、東北電力に対し再稼働差し止めを求めて仙台地裁に提訴しました。

 原告団は、宮城県と石巻市が策定する原発事故時の避難計画は、交通渋滞により避難対象地区から住民が脱出できないなど実効性に著しく欠けると強調。再稼働によって住民の生命・健康を侵害する恐れが生じるとしています。原告団によると、避難計画の実効性のみを争点とした本裁判は全国初です。

 原告らは2019年11月、避難計画に実効性がないとして県と市に対して、地元同意の差し止めを求める仮処分を申請しました。しかし県と市は実効性について認否を示さず、仙台高裁は抗告を棄却しました。

 記者会見で原告団の原伸雄団長は、避難計画をめぐって東海第2原発の運転差し止めを認めた水戸地裁の判決に励まされたと言及。「エネルギー政策上の全体にからむ大事な裁判です。住民の命と暮らし、健康を守る判決を得たい」と語りました。

 小野寺信一弁護団長は、「実効性のない避難計画について、第三者の審査を欠いたまま再稼働に進むのは許されません。それが今回の訴訟の最大の眼目です」と話しました。

(「しんぶん赤旗」2021年5月29日より転載)