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老朽原発 再稼働に同意・・福井知事、全国初 県民ら抗議

関西電力美浜原発3号機=2018年7月、福井県美浜町

美浜・高浜3基

 運転開始から40年を超える老朽原発の関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)と高浜原発1、2号機(同県高浜町)の3基について、同県の杉本達治知事は28日、再稼働に同意すると表明し、梶山弘志経済産業相に伝えました。杉本知事は会見で「総合的に勘案し、再稼働に同意することにした」と述べました。東京電力福島第1原発事故後、原発の運転を「原則40年」とするルールが設けられて以降、運転期間を超える原発の再稼働への地元同意は初めて。地元からは「県民は同意していない」「老朽原発の再稼働など許せない」と抗議の声が上がりました。

 原発は運転期間が長くなるほど炉心から出る中性子線を浴びる原子炉圧力容器の鋼鉄がもろくなるなど壊れやすく、事故が起きた時の危険性が高いため、老朽原発を酷使すべきではないと専門家などから指摘されています。また、美浜原発3号機は2004年に2次系配管が老朽化による減肉で破損し、11人が死傷する事故を起こしています。使用済み核燃料の問題や住民の避難計画など課題も山積したままです。

 美浜原発3号機は1976年、高浜原発1、2号機はそれぞれ74、75年に運転を開始。福島第1原発事故が起きた2011年から停止しています。

 福島第1原発事故後に改定された原子炉等規制法で、原発の運転期間は原則40年とされ、原子力規制委員会が認めれば、1回に限り最大20年の延長が認められます。関電は15年に3基の審査を申請し、16年に認可。日本原子力発電東海第2原発(茨城県)も18年に認可されました。

 延長申請した原発はすべて認可され「原則40年」は形骸化しています。廃炉を決めた原発以外で九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)など5基が、あと5年程度で40年を迎えます。

(「しんぶん赤旗」2021年4月29日より転載)