運転開始から40年を超えた老朽原発3基が福島第1原発事故後初めて再稼働されようとしている問題で、日本共産党の笠井亮議員は28日の衆院経済産業委員会で、東京電力福島第1原発事故の教訓に反すると梶山弘志経済産業相をただし、再稼働中止を迫りました。
同日に杉本達治福井県知事は、美浜原発3号機(同県美浜町)と高浜原発1、2号機(同県高浜町)の再稼働への同意を表明しました。
重大な局面を迎える中、笠井氏は、美浜原発3号機の冷却水タンクの竜巻対策工事に従事した溶接工が「くっついてさえいればいい」とずさんな工事を強いられたことを実名で告発していると指摘。「工事の安全性を確認したのか」とただしました。
原子力規制庁の金子修一審議官は「具体的に場所が特定されれば確認したい」と述べ、告発に対応した確認をしていないことを認めるも、梶山経産相は「再稼働していく方針に変わりない」と固執する姿勢を示しました。
笠井氏は「ずさんな工事が告発される中、運転期間が40年超で、しかも10年間も動かしていない原発を再稼働するのか」と批判。世界的な流れは、事業で使用する電力を100%再エネとする「RE100」の時代だとし、原発固執からの転換を求めました。
(「しんぶん赤旗」2021年4月29日より転載)