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海洋放出ありきに怒り・・高橋・岩渕氏 漁民と懇談 福島

江川組会長(左端)らと懇談する(向こう右側から)熊谷、岩渕、宮川、吉田の各氏=10日、福島県いわき市

 日本共産党の高橋千鶴子衆院議員と岩渕友参院議員は10日、東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含む汚染水の海洋放出問題の渦中にある福島県いわき市で、漁民たちと懇談しました。宮川えみ子、吉田英策両県議、熊谷智党いわき双葉地区委員長が同席しました。

 いわき市漁協役員らとの懇談では「今までの試験操業から本格操業への移行期に入り、一歩二歩と前に出ているタイミングで、なぜ海洋放出なのか」「絶対反対だ」と怒りの声が相次ぎました。

 江川章組合長は「『トリチウムを流したら福島の魚はもう終わりだね』と、漁民じゃなく仲買人が言ってきた。深刻だよ。国は海を守り、生計を立てているわれわれの声をよく聞き、その上で方針を決めてほしい」と厳しく注文しました。

 福島県南端の勿来(なこそ)漁協でも、集まった漁民らが不安と怒りをぶちまけました。

 震災のがれき撤去作業が終わったとき31歳と29歳の息子2人が後を継ぐと言ったと話す漁師(57)は「本当は漁師にさせたくなかった。若い人たちがこのまま続けていいのか、首相に聞いてみたい」と語気を強めます。

 漁師2代目の男性(66)は「海に流すしかないのか。陸地保管を続けながら処理方法をもっと考えてほしい」と訴えました。

 高橋議員は「いったん決定を見送りしてから半年間、何をしていたのか。県民と対話する努力は見えず、結論ありきだ。皆さんの怒りの声を届けます」と応えました。

(「しんぶん赤旗」2021年4月11日より転載)