汚染水海洋放出に反対・・福島 地元同意はない 国に党と復興共同センター
東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウム汚染水(処理水)の海洋放出の方向を菅義偉首相が全漁連や福島県漁連に示したことが大きな問題になっています。日本共産党福島県委員会と同県議団、ふくしま復興共同センターは9日、国に海洋放出決定を行わず、地上保管継続を申し入れました。福島復興局の師田晃彦次長が応対しました。
神山悦子県議団長は、県議会と43市町村議会(72・9%)で反対や慎重対応を求める意見書が可決されるなど、県民世論は反対が多数だと指摘。「地元同意もないまま結論ありきで海洋放出を決定するのは許されず、政府は県民の声に真剣に耳を傾けるべき。いま政府がやるべきはコロナ対策に全力を挙げることだ」と強く求めました。
参加者からも「海洋放出は福島復興の足かせ」「廃炉を口実に押し付けるな」と批判が相次ぎました。
師田次長は「国として避けて通れない重大問題」などと繰り返しました。
党県委員会などはこれに先立ち、海洋放出決定を行わないよう国に求めることを県に申し入れました。
伊藤繁県原子力安全対策課長は「国は慎重に判断してほしい」と述べただけでした。
宮城 明確な反対表明を 党と県議団が知事に要求
東京電力福島第1原子力発電所の汚染水の海洋放出問題で、日本共産党宮城県委員会と党県議団は9日、村井嘉浩知事に、国に対して海洋放出反対を表明するよう求める要請をしました。
党県委員会の、ふなやま由美副委員長(衆院東北比例候補)が、応対した佐藤達哉復興・危機管理部長に要請書を手渡し、天下みゆき党県議団幹事長が趣旨を説明しました。
村井知事が、海洋放出への自身の姿勢について明言を避けてきたことを指摘し、原発事故から10年たっても風評被害は払拭(ふっしょく)されず、対策がいかに困難であるかは明らかであり、新型コロナ感染症で厳しい漁業、水産業がさらに厳しい状況に追い込まれると強調。県議会も「海洋放出」しないよう求める意見書を再三、国と東京電力に提出してきたと述べ、知事として明確な反対表明をするように求めました。
三浦一敏党県議団長は「県民を代表する知事としてはっきりと反対を表明するべきだ」と求め、ふなやま党県副委員長は「福島県の漁協は試験操業を繰り返し、やっと本格操業となったばかりで海洋放出では本当に憤りを感じる。ぜひ反対の意思を示してほしい」と迫りました。
佐藤部長は、知事に伝えると答えました。
(「しんぶん赤旗」2021年4月10日より転載)