資料公開遅れを批判・・原発立地法案 岩渕議員が追及
岩渕友議員は25日の参院内閣委員会で、原発立地自治体と周辺自治体を財政支援する「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法」の期限を10年延長する同法改定について追及しました。同法改定は26日の参院本会議で可決・成立。日本共産党は反対しました。
岩渕氏は、原電東海第2原発の運転差し止めを命じた18日の水戸地裁判決が、30キロメートル圏内の住民の避難計画は実現可能というにはほど遠いと判断していると指摘。政府が「防災インフラ整備支援」をうたいながら、支援の対象が原発事故後も変わっていないと批判しました。
また、同法に基づいて16年前に決定された「振興計画」が質問前日に提出されたことや、同法による財政支援・企業誘致の詳細な実績の開示を5カ月以上前から求めていたのに公開されていないと批判。井上信治特命担当相は「確認に時間がかかっている」「個人情報等を確認した上で問題がなければ公表する」と答えるだけでした。
岩渕氏は「法案審議の大前提の問題であり、実績と効果が分からなければ検証できない」として、原子力に固執し、国会を軽視する政府を批判しました。
沿岸地域支援引き続き・・震災・原発事故10年で紙議員
紙智子議員は16日の参院農林水産委員会で、東日本大震災・福島原発事故から10年をへた沿岸地域の実情把握と支援継続を求めました。
紙氏は、東北3県の海面漁業就業者は、10年間で2万1444人から1万3631人に減り、経営体数は岩手県で36%減、宮城県で42%減、福島県で49%減だとして支援策を求めました。野上浩太郎農水相は「現場の声に耳を傾け、全力で取り組む」と答えました。
水産加工業者へのアンケートでは、売り上げが戻らない理由の8割を「販路の不足・喪失・風評被害」と「原材料不足」が占めています。紙氏は、グループ補助金に伴う借入金の返済、水産資源の減少、新型コロナの三重苦に苦しんでいるとし、返済資金の一時棚上げや返済期限の延長、魚種転換への支援を要求。野上農水相は「償還が困難な利用者には償還猶予等の柔軟な対応をしている。魚種を転換するために機械整備等の支援を行うなど、他省庁とも連携して支援を行う」と答えました。
紙氏は、東電福島原発事故の汚染水が海洋放出されれば、漁業者が築いてきた消費者との信頼が壊れると指摘。野上農水相は「農林漁業者の努力を妨げないことを最優先にする」と答えました。
(「しんぶん赤旗」2021年3月31日より転載)