日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の運転差し止めを命じた水戸地裁の画期的判決(18日)を受けて、関係者のコメントを紹介します。
原発推進の国策問う判決
元東海村長 村上達也さん
人口が極めて多い場所での広域避難計画は策定できず、避難できない場所の原発を動かしてはならないという点に切り込んだ判決でした。
そもそも30キロ圏内に約100万人もいる場所に原発が存在すること自体が問題です。東京電力福島第1原発事故を経験したのにもかかわらず、人口密集地帯の原発を動かすことはノーだというのが根本的な話だと思います。
「狭い地震列島のこの国に原発があっていいのか」「原発の推進が国策であっていいのか」という根本的な問題を投げかける判決だと受け止めています。
廃炉向け住民運動広げる
共産党東海村議 大名美恵子さん
人格権にもとづき運転の差し止めを認めるという、人間的で共感できる判決でした。原子力規制委員会も原発が絶対に安全だとは言えない中、裁判所が広域避難の困難性を判決理由にしました。これは事故が起きるということを裁判所が認めたということで大事な点です。
一方、自治体に避難計画の策定を急がせることにならないか懸念もあります。東海第2原発の再稼働を確実にストップさせるためにも、実効性のない避難計画を策定させない取り組みと廃炉に向けた住民との運動を広げる必要があります。
(「しんぶん赤旗」2021年3月20日より転載)