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主張 福島原発事故10年・・原発ゼロの日本へ政治転換を

 東京電力福島第1原発事故から10年です。16万人以上が避難を余儀なくされ、地域社会に甚大な被害をもたらし、国内外に衝撃を与えました。日本世論調査会の調査(「東京」7日付)では、90%が再び原発の「深刻な事故が起きる可能性」があると答え、76%が原発ゼロを求めています。

菅政権による逆流許さず

 ところが菅義偉政権は、原発再稼働とともに新型原発の開発をすすめるとし、原発推進を目的とする立地特措法も10年延長させようとしています。東京電力の柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働まで企て、経済産業省幹部を80回も現地入りさせています。

 今年はエネルギー基本計画が改定されます。菅政権による逆流を許さず、原発ゼロをめざす政治へと転換することが必要です。

 高い放射線量などで今も帰れない地域があります。故郷に戻れずにいる人は8万人といわれます。

 原発事故はいまだに収束していません。溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出す見通しはたっていません。汚染水も日々増え続けています。政府が画策する海洋放出を許すわけにはいきません。

 被害は深刻化しているのに、菅政権は、避難指示解除に連動して支援を打ち切る姿勢を隠しません。特例法で10年に延長した損害賠償請求の時効も再延長しないとされています。政府には東電とともに、必要な対策を怠って、原発事故を招いた責任があります。被害に対する全面的な賠償はもちろん、被害者の暮らしと生業(なりわい)、地域コミュニティーの再建まで責任を果たすべきです。

 菅政権の原発推進の背景には、財界の要求があります。経団連や日本商工会議所は、早期の再稼働と60年を超える運転、新増設と投資環境の整備を要求しています。原発再稼働とともに原発建設でももうけようというのです。

 電力会社は既存の原発の「安全対策」にさらに5兆円以上投資するとしています。海外でも福島原発事故後、建設費が高騰しています。原発は高コスト電源であり、そのコストは電気代として国民生活に重くのしかかってきます。

 政府は、「グリーン成長」の名の下に原発を最大限活用するとしています。しかし、原発には過酷事故を起こす危険があり、ひとたび起これば取り返しのつかない被害と汚染をもたらします。気候変動対策をいうなら、原発ではなく、再生可能エネルギーの大規模普及と省エネこそ急がれます。

 環境保全ルールをつくり、地域資源である再エネの利用がすすめば、エネルギーの地産地消や地場産業化で地域経済も活性化します。原発と手を切り再エネにシフトすることが、未来ある選択です。

一番の早道は政権交代

 事故以来、多くの市民が、官邸前をはじめ全国各地で「原発いらない」「再稼働反対」の声を上げ続けてきました。福島県では県民世論の力で、福島第2原発も廃炉に追い込み、原発ゼロ県となりました。国会では野党が、再稼働を認めず再エネに大転換する「原発ゼロ基本法案」を共同提出しています。この実現が急務です。

 「原発ゼロ」への一番の早道は、政権交代です。日本共産党は、市民と野党の共同をすすめ、総選挙で菅政権を倒し、新しい政権を樹立するために力を尽くします。

(「しんぶん赤旗」2021年3月12日より転載)