原発からの撤退こそ・・群馬訴訟判決 抗議のデモ
前橋市で2月10日、「原発からの撤退を」の声を広げる107回目の昼休みデモが行われました。原発事故に対する国の責任を認めない1月21日の群馬訴訟控訴審判決後、初の昼休みデモです。群馬県労会議、群馬県商工団体連合会、群馬民医連、新婦人の会群馬県本部、群馬農民連が主催。参加者は、沿道の人や車にアピールしながら行進しました。
出発式で県労会議副議長の石田清人氏が「国側の証人である今村文彦氏(津波工学)の、津波は予見できたとする証言に一言も触れずに国を免責する不当判決。被災者の心の傷に塩を擦り込む判決を見逃してはいけない」と呼びかけました。
原告の丹治杉江さんは「判決を聞いて頭の中が真っ白になった」と話し、「建屋の水密化で防げた事故。国の責任を認めさせて恒久的な健康被害への対策をとらせ、未来の子どもたちのために原発をなくしていく」と決意を語りました。
大飯原発設置変更 「賛否両論を」参加者求める・・福井 規制委説明会
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の設置変更許可を取り消した大阪地裁判決(昨年12月)を受けて、原子力規制委員会の県民説明会(福井県主催)が9日、福井市で開かれました。国側の説明だけで、参加者から「賛否両論を聞いて判断できる説明会を求める」などの批判が続出しました。
判決は、原発で想定する最大の地震の揺れ(基準地震動)を策定する際行う地震規模設定の判断過程に「看過し難い過誤、欠落がある」と断じたことから、同様の手法をとるほかの原発にも影響します。
これに対し、規制委事務局の原子力規制庁の担当者は、地震規模設定に平均値を用いておきながら、平均値を超える「ばらつき」の考慮を定めた審査ガイドは恣意(しい)的に解釈し、「『不確かさ』を考慮して適切に判断している」と合理化しました。
参加者からは、「ばらつきの考慮と不確かさの考慮は別物だ」など、厳しい意見が相次ぎ、基準地震動が恣意的に過小評価されている疑念が示されました。
原発が集中立地する嶺南地域から離れた福井市での開催にも、「嶺南でも開いてください」「1回ぽっきりではだめだ」などの意見が続出しました。
主催者側は「検討する」と答えました。
(「しんぶん赤旗」2021年2月12日より転載)