新潟県の「原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」委員の立石雅昭・新潟大学名誉教授(75)=地質学=は2月2日、一部委員の不再任問題で改めて記者会見し、県技術委員会の拡充と再任を求めました。
立石氏は、1月21日に花角英世知事へ「県技術委員会への再任を求める要望」を提出したが、直接の回答はなく、27日の定例会見で花角知事が再任要望には応じない考えを示したことを「回答」と受け止め、自身の見解を述べました。
見解は▽新しい委員を追加し技術委員会を拡充▽議論継承のため、立石、鈴木元衛両委員を再任▽県民の安全・安心のため、最新の科学的知見を生みだし発信し続ける―の3点。
立石氏は、県が高齢などを理由に再任せず、技術委員会を縮小しようとしているが、福島第1原発事故を起こした東京電力が新潟県で原発を再稼働しようとする時期だからこそ、柏崎刈羽原発の安全性に関わる審議の重要性が高まっており、技術委員会の拡充こそ、県民に対する責任だと強調しました。
東電が隠していた福島事故の炉心溶融(メルトダウン)の定義の存在を明らかにするなど県技術委員会が果たしてきた役割を述べ、汚染水発生や複数号機事故の危険性などの疑義の審議のためにも、2委員の再任を強く求めました。
(「しんぶん赤旗」2021年2月3日より転載)