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汚染水どうする 共産党がシンポ・・解決へ英知を集め/幅広い参加者

福島第1原発の汚染水問題の解決へ、立場を超えて知恵を合わせようと、日本共産党主催の汚染水問題シンポジウムが11月21日、国会内で開かれました。技術者や科学者、産業界、漁業関係者など会場いっぱいの約170人が参加。活発に討論しました。

党主催の汚染水問題シンポジウム。壇上であいさつするのは志位和夫委員長=11月21日、参院議員会館
党主催の汚染水問題シンポジウム。壇上であいさつするのは志位和夫委員長=11月21日、参院議員会館

シンポは、原発への態度や将来のエネルギー政策の違いを超え、英知を結集しようと、日本共産党が広く呼びかけたもの。冒頭、主催者を代表して志位和夫委員長があいさつ。各界で活躍する6人のパネリストが報告しました。

北澤氏は、汚染水問題が解決できないとどういうことになるかと問いかけ、国家の存亡の危機として原発事故問題を考える必要性を訴えました。

舩橋氏は、汚染水問題の迷走の根本にあるのは、企業が望む対策が優先されるゆがみがあると批判。東電の上位に広範な権限をもつ組織創設を提案しました。

地下水工学が専門の本島氏は、1~3号機の溶融燃料を取り出すには、地下水問題が重要であると指摘。地下水を上流側で止める方法を提案しました。

海洋汚染について廣瀬氏は、全体として放射性セシウム濃度が減少しているものの、放水口周辺の値は減少傾向がみられず、放射能が漏れているとみるのが合理的だと報告しました。

大島氏は環境経済学の立場から、事故費用の負担問題を報告。実質的な国民負担の他方で、株主や金融機関は無傷であると批判。国費投入は、モラルハザード(倫理の崩壊)を招くと指摘しました。

笠井氏は、国会論戦を踏まえ報告。柏崎刈羽原発再稼働のためには増員しながら汚染水対策にむかわない国や東電の姿勢を変える重要性を指摘しました。

閉会あいさつで志位氏は「今日は多角的に問題に光が当たった。超党派で、汚染水問題の危機打開のために専門家の英知を結集する場を国会に作ることを提案したい」と述べました。

志位委員長があいさつ

日本共産党の志位和夫委員長は主催者を代表してあいさつしました。志位氏は、福島第1原発の放射能汚染水問題が「制御できない深刻な非常事態に陥っている」ことについて、(1)汚染水が莫大(ばくだい)な量に達していること(2)原子炉格納容器が破損し、問題解決には長期にわたる努力が必要になること―を具体的に指摘。問題を打開するための「緊急提言」を紹介した後、開催趣旨を次のように語りました。

私たちは、汚染水問題の解決に向け、原発への態度や将来のエネルギー政策の違いをこえて、科学者、技術者、産業界の皆さんの英知と総力を結集した取り組みが何よりも大切だと訴えてきました。

政党としても、汚染水問題の打開の道を探求する場を設けていきたいと考え、今日のシンポジウムを呼びかけさせていただいたものです。ともに知恵を合わせて、この問題解決の方途を見いだしていきたいと考えています。

■パネリスト(発言順、敬称略)

○北澤 宏一(東京都市大学学長、 福島原発事故独立検証委員会= 民間事故調=委員長)
○舩橋 晴俊(法政大学社会学部教授、原子力市民委員会座長)
○本島  勲(元電力中央研究所主任研究員)
○廣瀬 勝己(元気象研究所地球化学研究部長)
○大島 堅一(立命館大学国際関係学部教授)
○笠井  亮(衆院議員、日本共産党原発・エネルギー問題対策 委員会責任者)

汚染水解決へ多角的提起・・共産党シンポ 幅広い参加者

パネリストの多角的な話に聞き入る参加者=11月21日、参院議員会館
パネリストの多角的な話に聞き入る参加者=11月21日、参院議員会館

11月21日に国会内で開かれた日本共産党主催の「汚染水問題シンポジウム」には約170人が参加。立場を超えて多角的な問題が議論され、参加者はうなずいたり、メモを取っていました。

「東海原発が廃棄物の処分ができないので廃炉に入れないというニュースがあった。汚染水の問題もそうだが、原発は面倒なことがいっぱいあるのに、それがないかのように推進されてきた。原発の特別扱いはもうやめよう」とパネリストの大島堅一・立命館大教授が発言すると、会場から「そうだ」という声が上がりました。

原発関連のメーカーでつくる団体や市民など、各層の人々が参加しました。

東京都内の大学教授(64)は「国が経産省の枠を超えた問題解決の組織をつくること、東電の組織再編という提起はもっともだ」と共感を示しました。

京都で原発に反対する行動を続けている村上敏明さん(79)は、「幅広い専門家から科学的に問題点が明らかにされて参考になりました。地域に持ち帰って運動に生かしたい」と話しました。

新潟県から参加した医療関係者の大口歩さん(32)は、「パネリスト全員が言っていたように、政党や思想を超えて問題に取り組んでいくことが大切だと思った。私のような一般の人から学者まで、いろいろな人が考え合う場になった」と話しました。

福島県の参加者からは、「地元の専門業者、技術者として何をなすべきか、筋道が見えてきました」と感想が寄せられました。また、「多角的な視野を持つ必要性を実感できた」という声や、志位委員長が最後に「各分野の意見を集約できる場を超党派で国会につくっていく」と呼びかけたことに「腑(ふ)に落ちた」など、多くの共感が寄せられました。

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