関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の設置変更許可を取り消した大阪地裁の判決を受けて、原告や支援者らは12月22日、参院議員会館とオンラインでの集会と政府交渉を行いました。判決を受け入れ大飯原発の許可を取り消すことや、全ての原発の耐震評価を見直すことを求めました。
4日に出された判決は、想定される最大の地震の揺れ(基準地震動)の評価に不合理な点があると判断。規制委が大飯原発の審査で基準地震動策定に必要な地震規模の計算値に観測データのばらつきを上乗せする必要があるかどうかの検討もしていないと指摘しています。
規制委は16日、基準地震動の策定にかかる審査について見解文書を取りまとめ、17日には国が大阪高裁に控訴しました。見解文書では、ばらつきを上乗せする方法を用いていないのは「科学的根拠を承知していないから」などとしています。
政府交渉で原告らは、原子力規制庁に、ばらつきを考慮しない理由などをただしましたが、規制委側は「回答はさし控える」「(ガイド)記載の解釈の違い」などといった回答を繰り返しました。
(「しんぶん赤旗」2020年12月23日より転載)