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COP19、協議続く・・先進国と途上国の対立際立つ

【ワルシャワ=浅田信幸】11月11日からワルシャワの国立競技場で開かれていた国連気候変動枠組み条約第19回締約国会議(COP19)は23日、会期を1日延長した徹夜交渉を経てなお協議が続いています。

今回の会議では、森林破壊を由来とする温室効果ガス排出の削減に向けた取り組みで合意が成立。また温暖化を背景にした異常気象による自然災害や海面上昇による海岸線の後退など、より長期的な影響の「損失と損害」に対する取り組みとして、特に被害の大きい途上国支援のための「ワルシャワ・メカニズム」を立ち上げることでも合意が前進しました。

新たなメカニズム立ち上げは途上国側が強く要求し、先進国側では追加的な資金供出を求められるのを嫌い、対立が続いていた問題です。途上国側の要望に沿う解決方向で合意が進んだことは成果といえます。

その一方COP19の大きな課題は、▽2015年に採択し20年に発効を目指して温室効果ガス排出削減の新たな国際的枠組みの道筋をつけることと、▽国際的合意である気温上昇を産業革命以前比で2度以下に抑えるため、20年までの削減目標を底上げすることでした。

公表されている決定案によると、新枠組みの下での削減目標は各国の自主目標を積み上げる方法をとり、来年ペルーのリマで開かれるCOP20までに各国が目標を提出するとしています。全体としての削減目標は明示されていません。

20年目標の底上げも具体的数値はなく、すべての締約国に対し自主目標の達成と、さらなる活動の強化を呼びかけるにとどまっています。

今回の会議でも、温暖化対策より経済成長を重視したい先進国と、先進国の温室効果ガス排出の「歴史的責任」を問う中国やインドの途上国の対立が際立ちました。削減目標を引き下げて会議に水をさした日本やオーストラリアなどの態度は、一部途上国側のかたくなな姿勢の大きな要因の一つになっています。

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