菅首相が10月26日の所信表明で2050年の温室効果ガスの実質ゼロを表明したことに、環境団体などは脱原発・脱石炭など具体的な政策を求める声明などを同日、発表しています。
政府が3月に国連に提出した気候変動に関する国別目標は「2030年度に13年比で(温室効果ガスを)26%削減」です。
NPO法人「気候ネットワーク」は、30年目標を少なくとも50%削減(1990年比)へ引き上げ、脱原発・脱石炭の電源構成を策定すべきだとしています。また、不確かな革新的技術への依存は、30年までの削減にほとんど貢献できず、目下の気候対応の要請に応えられないと指摘しています。
国際環境NGO「FoE Japan」は、「原子力政策を推進」と首相が表明したことに、「リスクと被害が大きく、コストも不確実性も高い原発は気候変動対策として位置づけるべきではない」と指摘。30年には石炭火力を廃止すべきで、石炭火力の輸出停止を求めています。
WWFジャパンは、50年ゼロを実現するためには30年の排出削減目標を13年比で45%以上に引き上げ、21年末のCOP26までに再提出することなどを求めています。
自然エネルギー財団は、今回の表明が「本当に評価できるものかどうかは、30年削減目標を大幅に引き上げ、それに必要なエネルギー転換を打ち出せるかどうかにかかっている」とコメントしています。
(「しんぶん赤旗」2020年10月28日より転載)