宮城県議会に提出された東北電力女川原子力発電所(女川町・石巻市)の再稼働をめぐる請願は10月22日、十分な議論もないまま、自・公両党の賛成で推進請願を採択し、中止請願を不採択としました。中止請願を出した市民団体は23日、村井嘉浩知事に対し、結果は「県民の総意」とは言えず、拙速に判断しないよう求めました。
53の市民団体を代表して多々良哲氏が佐々木均環境生活部次長に要望書を手渡し、趣旨を説明しました。
住民説明会が不十分で住民の声が反映されていないこと、市民が求めた請願の趣旨説明や有識者からの意見聴取をしなかったこと、委員会での議論も10分足らずで「熟議」が無かったことの3点をあげ、「県民の総意であるはずがない」と批判。拙速な「地元同意」判断をしないよう求めました。
県議会あての再稼働中止を求める署名が合計で16万65人に上ることを紹介し、女性ネットワークの本田永久子氏は、思いのこもった署名を何度提出しても反映されないと憤り、「県民の思いを受け止める県政・議会であってほしい。『国策だ』ではなく、命・暮らし・子どもたちの未来を守るために、真剣に考えてください」と訴えました。
(「しんぶん赤旗」2020年10月24日より転載)