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「国・東電の責任決着」 福島原発生業訴訟原告ら要請・・上告断念し救済早く

国や東電に上告を断念するよう訴える原告弁護団と支援者ら=7日、衆院第2議員会館前

 東京電力福島第1原発事故で国と東電の責任を断罪した「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟控訴審判決の上告期限を1週間後に控え、原告団と弁護団は10月7日、菅義偉首相と東電、原子力規制委員会に対し、上告せず話し合いに応じるよう要請しました。

 首相への要請文では、判決が「(国は)東電による不誠実な報告を唯々諾々と受け入れ…規制当局に期待される役割を果たさなかった」と国と東電を厳しく批判していることを「厳粛に受け止めるべき」だとしています。その上で、上告を断念すること、一日も早い救済に向け、協議の場につくことを求めています。規制委に対しては、原発の再稼働審査で最大限に厳格な審査を行うよう要請しました。

 弁護団と支援者は要請後、国会前で宣伝しました。

 弁護団事務局長の馬奈木厳太郎弁護士は判決について、全国の避難者訴訟に一つ勝訴が加わったということにとどまらないと指摘。他の訴訟で原告が敗訴した判決理由で国に責任がないとした根拠を崩しており、「国と東電の責任については決着がついた」と強調しました。

 控訴審をたたかう群馬県訴訟原告の丹治杉江さん(63)は「判決はわが事としてうれしかった。群馬訴訟の控訴審でも同じ判決がほしい」と話しました。日本共産党の高橋千鶴子衆院議員、山添拓参院議員、立憲民主党の阿部知子衆院議員が参加しました。

 要請に訪れた規制委では、事前に申し込んでいたにもかかわらず原告団を建物の中に入れませんでした。中島孝原告団長(64)は「真摯(しんし)に被害救済を求めに行ったのに、被害者にこういう対応か。原子力ではなく国民規制庁だ」と述べました。

(「しんぶん赤旗」2020年10月8日より転載)