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平和貢献の科学 次代へ・・科学者集会報告会 軍事研究を批判

 原水爆禁止2020年世界大会・科学者集会のオンライン報告会が8月2日、開かれました。軍事研究、核兵器や原発問題をテーマに科学者らが報告しました。

 日本科学者会議の井原聰(さとし)事務局長(東北大学名誉教授=科学技術史)が、科学者の社会的責任と軍事研究について講演しました。軍事研究と民生用研究の区別をあいまいにすることによる軍事研究推進の動きを批判。殺りくの方向性をもつ軍事研究と安全・安心の方向性の民生用研究は決定的に違うと指摘しました。

 井原氏は、戦前の日本と世界の科学者の反戦・平和の運動の流れのなかで、戦後の日本学術会議の発足当初の“不戦の誓い”につながった意義を強調。人類の福祉と平和に貢献するという本来の科学のあり方を「若い世代につなげる作業が緊要だ」と訴えました。

 ヒバクシャ問題を研究する高橋博子奈良大学教授は“使いやすい核兵器”とされる「小型核」について報告しました。国の指定地域外も被爆者と認めた「黒い雨」裁判の歴史的判決にもふれて、広島・長崎での原爆投下や核実験で米国政府が放射性降下物の危険性を矮小(わいしょう)化してきたと告発。「被害者にとっては、低核出力でも小型でも使ってよい兵器でもありえない。核兵器を使用させないためには、こういう表現を許してはいけない」と述べました。

 今回、当初は多数の原発がある福井県での開催を予定していました。報告会では、関西電力の原発マネー還流疑惑、東京電力福島第1原発事故による被ばくや放射性廃棄物処分の問題など、原発問題について4人が報告し議論を深めました。

(「しんぶん赤旗」2020年8月3日より転載)