除染作業に関わる情報公開請求をした記者の個人情報を福島県が東京電力に提供していたとして、フリージャーナリストの、おしどりマコ氏が7月8日、福島県庁で記者会見を開きました。
4月に公開請求したのは、福島第1原発事故収束の作業拠点となっていたサッカー施設「Jヴィレッジ」(同県広野町)についての情報です。
おしどり氏は、同施設で除染作業員に適切な放射線防護が行われていなかった疑惑や、除去した汚染土壌が非公開で再利用されている疑惑を追及するために県に情報公開を請求。それらの内容を県が氏名とともに東電に伝え、公開内容を調整していたというものです。情報漏えいの疑惑は、東洋経済オンラインの6月25日配信の記事が報じ、東洋経済の記者が県に問い合わせた内容も、東電に漏えいしていたといいます。
会見で代理人の馬奈木厳太郎弁護士は、個人情報保護条例違反の疑いを指摘。「内容に利害関係がある当事者に個人情報が提供されるなら、まっとうな取材活動に萎縮が生じる」と訴えました。
おしどり氏は、「原発事故の加害側の東電に、被害側の福島県が情報をもらしていたことは非常にショックでした。『復興五輪』に向けて、これらの問題をメディアに知られたくないという気持ちを強く感じます」と批判しました。
(「しんぶん赤旗」2020年7月9日より転載)