関西電力の役員らが、高浜原発が立地する福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)と関連企業から多額の金品を受け取っていた原発マネー還流問題で、個人株主5人は6月23日、八木誠元会長ら現旧取締役14人、同監査役8人に92億円余の損害賠償請求の株主代表訴訟を起こしました。
現旧取締役、監査役22人には、金品を受領しないことや不正・不適切発注の防止、報告義務などの責任を果たしていない善管注意義務違反があったとして、連帯して支払うよう求めています。
記者会見した原告側代理人の河合弘之弁護士は「関電の役員追及訴訟(6月16日提訴)とは被告の範囲、不法行為の種類のとらえ方、請求金額がずっと多い。関電の訴訟が手ぬるいので株主代表訴訟を起こした。関電の訴訟と併合されることになり、手抜き訴訟、なれあい和解を防ぐことができる」「原発をやっている限り、汚ないお金を地元や関係者にばらまかないと設置も運転もできない。そのことをわかってほしい」と話しました。
原告の滝沢厚子さん(65)=大阪市=は「(現旧経営陣は)隠していることがあまりにも多い。株主総会の場でも本当のことを言わない。裁判の場でちゃんと明らかにしてほしい」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2020年6月24日より転載)