原子力規制委員会が先月、審査書案を了承した日本原燃の六ケ所再処理工場(青森県六ケ所村)について、環境NGOの「FoE Japan」と原子力規制を監視する市民の会は6月17日、経済産業省と規制委の事務局である原子力規制庁と政府交渉を行いました。オンラインで公開しました。
質問では、再処理工場から海洋に放出される廃液中のトリチウム(3重水素)などの濃度について、原発に適用されている濃度限度が適用されていない理由をただしました。規制庁は「多種多様な核種を扱う施設なので、線量の基準という形で再処理施設だけ別に定められている」と説明。再処理施設だけ緩やかな規制になっているとの指摘に対し、規制庁は「数字的には緩やかな規制になっているというのは、ご指摘の通り」と認めました。
また、再処理工場で実際の使用済み核燃料を使った試験=アクティブ試験で、多くのトラブルが発生した問題で、規制庁は、その結果についてこれまでの審査で確認しておらず、今後の審査などでの取り扱いも決まっていないと説明しました。
また、使用済燃料再処理機構から日本原燃に支払われる再処理の委託費について、前提になっている使用済み核燃料の発生量が当初予測を下回る可能性について質問したのに対し、経産省は「答える立場にない」と回答を避けました。
(「しんぶん赤旗」2020年6月18日より転載)