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原発汚染水 海洋・大気放出するな・・福島で公聴会 怒りの声

公聴会の会場前で汚染水の放出反対を訴える市民たち=6日、福島市

 東京電力福島第1原発で増え続ける放射能汚染水の放出をめぐって、地元自治体や関係団体の声を聞く政府の地方公聴会が4月6日、福島市で開かれました。

 汚染水について国の小委員会が2月に大気や海洋への放出を「現実的な選択肢」と報告したのに対し、公聴会では怒りと疑問の声が相次ぎました。

 県漁業協同組合連合会の野崎哲会長は「新たな後継者たちの将来と地元で生活を再建し漁業をやっていく観点から、海洋放出には反対です」と訴えました。今は国の出荷制限が解除され本格操業に向かうタイミングであると強調しました。

 県森林組合連合会の秋元公夫会長は「海洋放出も大気放出も反対です。森林所有者が戻って来て森林整備をしながら生活できるよう信頼関係を構築してきたが、新たな放出はこの信頼をなくしてしまう」と語りました。

 県旅館ホテル生活衛生同業組合の小井戸英典理事長は、原発事故の処理水が放出されれば観光業が受ける被害は故意による損害だと強調しました。

 このほか、県商工会議所連合会、県町村会、相馬地方市町村会の代表らが発言。内堀雅雄知事は、風評被害対策などを求めましたが、放出の是非について表明しませんでした。

 会場の前では、市民団体が横断幕を広げ、「汚染水放出反対」「大気放出するな」と声をあげました。

(「しんぶん赤旗」2020年4月7日より転載)