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川内原発1号機 停止・・テロ対策施設遅れ 全国初

九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)

 九州電力川内原発1号機(出力89万キロワット、鹿児島県薩摩川内市)は3月16日、意図的な航空機衝突などのテロ対策のために義務付けられた「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の設置が期限に間に合わないため原子炉を停止しました。特重施設の完成遅れのために原子炉が停止するのは全国で初めてです。九電は12月下旬までの停止を予定しています。地元からは「このまま廃炉に」の声が上がっています。

 特重施設は、テロ攻撃を受けた時、遠隔で原子炉を制御する緊急時制御室などからなります。新規制基準で設置が義務付けられている特重施設の期限は当初、新規制基準施行後5年でした。しかし、審査で想定より時間がかかっているという理由から、原子力規制委員会は、特重施設以外の施設や機器の設計を定めた工事計画の認可から5年に期限を延長。九電、関電など電力会社は、間に合わないとして、規制委に再び対応の検討を求めましたが、規制委は、期限内に完成しない場合、原発の停止を命じると決定しました。

 川内原発1号機の期限は3月17日でした。同2号機も5月21日の期限に間に合わないため同20日に停止する見込みです。これまでのところ、関西電力高浜3、4号機(福井県高浜町)も、それぞれ8月と10月に停止すると発表しています。

(「しんぶん赤旗」2020年3月17日より転載)