国と東京電力に対して原状回復と損害賠償を求めた「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟で、裁判所から提出を求められた津波に関するシミュレーション結果など一切の資料について東電は提出に応じられないとする回答をしていたことが12月2日わかりました。原告弁護団が東京都内で会見して明らかにしたもの。
東電の提出しない理由は、原発事故による損害賠償は原子力損害賠償法により無過失責任がさだめられているから過失責任は審理対象とならないということを主張して提出を拒否したものです。
原告弁護団は、裁判所の決定を無視するもので、暴挙であり決して許されるものではないと批判しています。また、経済産業省資源エネルギー庁にたいして、津波試算に関する資料の隠蔽(いんぺい)の姿勢を根本的に改め、全ての文書を開示するよう東電に対して速やかに指示することを求める申し入れを行いました。
記者会見した弁護団事務局長の馬奈木厳太郎弁護士は、裁判所にさらに強い訴訟指揮をとること、文書提出命令を出すこと、東電が情報を出さないことは社会的に許されず社会的批判を強め、国会議員にも働きかけるなどを明らかにしました。